カルダモン

ジュラシック・ワールド/新たなる支配者のカルダモンのレビュー・感想・評価

3.3
恐竜が好きになるより先に
人間が嫌いになっちゃって困る。

架空と現実の中間点。もしかしたら本当に実現可能かもしれないというあと一歩の夢物語、人間の思い上がりを突き付けたパーク一作目。それが今ではモンスター映画に成り果てて、作中で目立っているのは恐竜よりも人間のエゴという有様です。そんな人間どもを景気良く喰らってくれるなら私の気持ちも少しは晴れたかな。人間全員が喰われて恐竜世界ジュラシックワールドが出来上がるなら。

三つ巴のプロレス展開は恐竜っていうか人間にしか見えなくて。ただこの映画で唯一楽しいシーンでした。人間が完全に外野なので。しかしなんていうか。ヴェロキラプトルが森に去っていく手前で、一瞬立ち止まってこちらを振り返る。まるで心を通わせてるかのような演出にイラッとしてしまった。もちろん彼らは心を通わせているのでしょうが。飼い犬に手を噛まれるような展開を心の何処かで期待した私、たぶん心が腐ってる。



29年の絵空事が完結ということで一旦はお疲れ様(きっとまたシレッと復活するでしょうが)ジュラシックシリーズは映画公開年がそのまま作品内の年と一致するので、一作目の『ジュラシックパーク』から29年の時が経過しているのだけど、オールドキャストが顔を揃えようが特別な感慨は湧いてこない。やはり私の中でジュラシックはもう終わっていたんだ。いつか面白く観られる日が来るといいけど。