とりん

ジュラシック・ワールド/新たなる支配者のとりんのネタバレレビュー・内容・結末

3.0

このレビューはネタバレを含みます

2022年76本目(映画館37本目)

映画史を塗り替えたと言っても過言ではないパニック映画シリーズの最終章。
正直最後の最後でこれかぁという期待はずれ感。もちろん元々期待していなかったのはあるけれど、シリーズの締めだからストーリーもそれなりにまとまりがあるかなと思ったけど、そういうことも特になく、たいした捻りもなくて残念。
今作を観た誰もが思ってるだろうけど、恐竜映画を観にきたはずなのに、メインの問題となるのはイナゴの大量発生なの?っていうこと。白亜紀時代のDNAで凶暴かつ大きいというのはあるかもしれないけど、そんなものは求めていない。
本作で一番キーとなる部分は人間と恐竜の共存。これはジュラシックパーク3作の頃から言われてた部分ではある。
ただ本作は前作で世界に恐竜が放たれたことによって否応なしに共存もしくは対立し合うかしっかり選択しなければならない。この辺りが上手く表現できてるかと思いきやそうでもない。
どっかのサイトや雑誌なんかでも書いてあったが、元々の原作は遺伝子技術によって生み出してしまった恐竜たちによって脅かされる世界、バイオテクノロジーの脅威と強力な支配者たいとの共存的な部分がメッセージ性として濃く描かれていたらしく、これまでズレていた部分が本作では割と寄ったとも記載されていたが、果たしてそうだったのかな。
ストーリー展開としては世界の生態系を牛耳りたいとか多額のお金に目が眩んだとかの阿呆が騒ぎを起こした挙句、なんとか揉み消そうとして本末転倒なことになるという部分に特に変わりはないように思う。これだけのシリーズのラストがこれで良いのかしら。
スピルバーグもずっと制作総指揮でついてはいるけど、こんなものなのかな。

小さい頃から恐竜って大好きだったし、博物館とかの展示をよく連れて行ってもらったり、図鑑とか観てた記憶がある。
だから初めてジュラシックパークを観た時って、それまで絵や骨でしか観たことなかった恐竜が、大きな画面で所狭しと動き回る姿にとんでもなくワクワクしたし、そしてそれが人間に襲いかかってくるというパニック、恐怖感というのをビシビシと感じて衝撃的だった。
1、2作目は特に好きで、金曜ロードショーかあるたびに観てた気がする。3作目は少し残念感あったけど、ジュラシックワールドではCG技術が発達してよりリアルに描かれたことで少なからずワクワクしたものだ。
だから本作でも恐竜が出てくるシーンはワクワクするし、市街地や生い茂る木々の中での生死を分ける追いかけっこや恐竜同士の戦いなんかは何度見てもハラハラするものだ。
ただそこに新鮮味というのは感じられることはない。終盤の3大肉食獣がぶつかる様は地肉踊るレベルかもしれないが、最後が呆気なさすぎて、拍子抜け。
ただこの恐竜が出てくるシーンはやはり映画館の大きいスクリーンで観てこそだと思うけれど、ストーリー考えるとやはりうーんとなってしまう。映画館で観たからまぁ良いけど、これ家で観てたら残念すぎる作品以外の何者でもないかも。

音楽もクラシカルで壮大なところはシリーズ通してさすがだなと思うけど、一番有名なテーマ曲は一瞬しか、しかもそこでっていうところで流れたような。
他にも1作目の人物が出てきたりして、ファンを喜ばせる意味では良いけど、ストーリーとしては過去作から引っ張ってくる必要性もそこまでないようにも思う。
ジュラシックワールドシリーズでは活躍していたブルーも今回はほとんど見せ場はない。子どもが出てくるけど、その子どもも出番はない。

共存をうたってはいるものの、結局人間が恐竜を良いように使ってるだけにしか見えなくて、恐竜側が人間を支配しているようにも見えない。
もちろん人間襲うことはあるけれども、駆逐されるほどではない。
だからメッセージ性って薄いように感じて、結局遺伝子技術の発展で過去の遺物を蘇られせて生み出されたものに対して、人間が支配してますよにしか見えない気がする。人間のクローン技術に対しても、そこまでの深掘りはなかったし。倫理観無視してる描写も特にない。
150分弱だけど、そんなに長く感じないのは良かった。
とりん

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