Pam

ウエスト・サイド・ストーリーのPamのレビュー・感想・評価

5.0
WestSideStoryが大好きすぎて、この映画本当は5.2点ぐらいあげたい。
これを見ると第一作目が大好きだった人でさえ、この二作目の深堀りが好きか嫌いかで分かれるかもしれない。私はこの深堀りが2021年を現しててまたスピルバーグxバーンスタインという天才ユダヤ人のコラボとして名を残す名作になった気がする。この映画は残る。そういう予感がした。

とにかく第一作目と違うところは、「深い」「リアリスト」もっと「血なまぐさい」「ギリギリ宗教色も出してる」というところじゃないかな。

とにかく深いんですよ。

これ見ると第一作目がもしかしたらMTVだったんですか?ぐらいの衝撃。つまりね、話と話がつながってなかったところがこっちを見るとちゃんと理解できるのですよ。例えばアニタとマリアのお兄ちゃんは私は付きあってるだけと思ってたら、実は同棲して家賃を出し合ってたとかね。そういう細かいセリフが全部出てくるのでリアリストなのよ。あたしはミュージカルも原作も読んでないからね。

NYの上空からのシーンで始まる一作目の有名なオープニングに続きこちらは、リンカーン・センターの工事現場の景色からはじまるのね。それも上空だけではなくカメラが動く。そして街で風を切って歩くジェッツとシャークスのお兄さんたちが踊ってるんだけど、第一作目がかなりバレエの振り付けが多くて優雅さを出してたのに対しこちらは結構アクロバットね。ガッツリ踊るわよ。そしてあのバーンスタインの音楽!現代音楽の走り?というか、不安点な心をオーボエでふらっと即興音楽のように映像とあわせて。。もう、うますぎっ。

第一作目ファンなので比較して書くね。

例えば『アメリカ』のシーン。。。あれは第一作目ではダンスパーティのあとでプエルトリコ集団が全員ビルの屋上に集まって女子男子の対決みたいなダンスでしょう?それまでにあまり会話はなくて、内容的に「男子のマチズムを批判する」的なかわいい歌だったんだけど、今回は結構ちゃんとセリフを言わせてなぜプエルトリコの生活かNYの生活とか細かい登場人物たちの移民としての厳しさを出しながら女子たちが踊るのよ。そのシーンが圧巻。アニタかっこいいのよ。


ただすごいのは、ダンスシーンでおもいっきりカメラ動かしてガンガン劇的に撮るというありがちな撮影はありません。キラキラパーティシーンを極力抑え、それでもミュージカルの楽しさをふんだんに入れ、一作目に敬意を払いながら踊りで見せてるこのセンスの良さ。(わからないかな)ですね。本当に素晴らしい。

あとね、『Am I Pretty]』がナタリー・ウッドのときはもっと脳天気なシーンでてきたのに、今回はかなりしんどい最後のシーンでこの歌がでてきて、、結構辛かったわ。

あと、前作ではなんでてるのかわからなかったレズビアンもねぇ、一生懸命なんだけど、解決はできないところが切なかったね。。あと、一番おもしろかったのは、ワル君たちが情報提供を求められ警察署で歌うあのシーン。あれ、前回ありましたっけ?あの歌、歌詞といい、ダンスといい、うまいなーと思ったわ。完璧すぎたわ。

また、アニタの女優がWでててるのも良い。前のアニタ(リタモリノ)があのグローサリーの未亡人なんだけど、アニタが最後ちかくで
「Some day, some where」とか歌いだしたらあたしもう涙出たわ。
だって、第一作目から60年近く経ってるのに世界はかわってないんですよ。まだまだ人種差別も、格差もかわらない。彼女がしんみり歌うあのシーンに前作ファンはもう涙腺崩壊。


やはり一作目では描けてなかった、トニーもそんなワルだったのよかよー。っていう種明かしや、あれ?やっちゃった?とか、一作目と違うチコ重要な役なんですけど。あれ?マリア本人が歌ってる?とか小さいところは色々ありますけど、、

もっとこの映画を繰り返し見ないと行けない気がしました。そして原作を読まないといけない!スピルバーグも隠れたメッセージをもっと読みたい。ほんと。
Pam

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