さく

ウエスト・サイド・ストーリーのさくのレビュー・感想・評価

4.5
『仁義なき戦い/マンハッタン死闘編』。昔の作品の方は見た記憶はあるものの、三日前に見た映画の内容すら忘れるタイプなので記憶無しで臨みました。

以下、今更ネタバレを含みます。

『大怪獣』で受けたダメージを回復すべく、大御所中の大御所かつネタは鉄板の本作でリハビリです。ウェルメイド&ウェルメイド&ウェルメイドで全てが完璧と思える映画で何も言うこと無しです。パワー!

ストーリーの根幹にある「移民問題」「貧富の差問題」というのは、現代アメリカでも解決できない問題として残っていますね。それほどアメリカ社会に詳しいわけではないのであまり適当なことは言えませんが。ただし、変に現代色を出すために過剰にLGBT色を前面に出してバランスを失するようなことにはなってなくて良かったです。そこら辺はスピルバーグ、信頼できる。

しかし、これは人の性(さが)なのか、集団ができると必ずと言って良いほど対立や紛争が起こってしまうのは悲しい現実です(だからと言って差別を肯定するとかではないです)。例えば、学校みたいな本来は「狭い」社会であっても「スクールカースト」といった言葉もあるように、階層分けや対立を軸としたグループが作られたりします。

ジェッツとシャークスも、カースト的な縦軸で言えばむしろ仲間と言ってもいいくらいなのに国籍や肌の色の違い、といったことを理由に対立してしまいます。そこは手を握ろうぜ! とも思ってしまいますが、そう簡単には行きませんね。

BLMの隆盛によって、今日では黒人vs白人みたいに単純化して捉えてられがちですし、私も良く理解できてないところもあるので、もっとアメリカ文化について勉強しようと思った次第です。

それにしてもあまりトニーには惹かれないなぁ。
さく

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