あーさん

ウエスト・サイド・ストーリーのあーさんのネタバレレビュー・内容・結末

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このレビューはネタバレを含みます

気になりながらも、オリジナルが完璧!と思っていただけに、鑑賞をずっと迷っていた。
が、フォロワーさん達がこぞって絶賛されているのを知り、観てみようかな、と。
IMAXか通常版か迷ったけど、ミュージカルだしIMAXで観ることに♪

いやー、、、
観てから10日程経つけれど、言葉が出てこない。。

もうレビューは、
"ブラボー❗️"で良くない?笑

とりあえず、思いつくままに、、

バーンスタイン先生の楽曲がほんっとうに素晴らしいことは、オリジナルのレビューに書いたけれど、ストーリーに関してもほぼオリジナルをなぞる形で、違和感は全くなし。

キャストについては、トニー役のアンセル・エルゴートがあまり好きではなくて、実は少々不安だった。
が、そう言えばオリジナルでは歌は吹き替えになっていた訳だし、正直トニー役の俳優は自分の中ではそんなにインパクトある訳ではなく(私の場合、何は無くともジョージ・チャキリス❗️)、それを思うとアンセル・エルゴートは歌はそれなりに上手かったし、高過ぎる背もバルコニーによじ登るシーンで役に立っていた!ように思うし笑
キャストで魅せるタイプの作品ではなく、元々の作品が素晴らしいので、そこは大丈夫だった。
マリア役のレイチェル・ゼグラーも第一印象が良くなくて、え?この子がマリア⁉︎と思ってしまったのだけど(ナタリー・ウッドが最高♪な私なので…)、でもこの人は歌ったり動いたりすると、とても魅力的に見える。
歌もとても伸びやかな声で安定感があるし、観ているうちにマリアにぴったりに思えて来た。
ヒロインにしては、ちょっとおチビさんでお胸もぺったんこだけど、出会いのシーンの白いドレスに赤いベルトがとてもキュート!

プエルトリコ系のシャークス率いるベルナルド(デヴィッド・アルバレス)は、ボクサーなのでチャキリスに比べてかなり腕っ節の強そうなタイプ。妹思いだけど、ちょっと暑苦しい⁈
そして、ベルナルドの恋人アニタ役のアリアナ・デボーズの存在感がすごい!
ダンスも演技も素晴らしい♪

ジェッツのリーダーでトニーの親友のリフ(マイク・ファイスト)、マリアを想うチノ(ジョシュ・アンドレス・リヴェラ)も脇役ながらなかなか丁寧に描かれていて、他のジェッツ、シャークスのメンバーもダンスや演技は合格点!
オリジナルのプエルトリコ陣が、白人の顔を黒くしていたと最近知りびっくりしたけれど、改めて60年前の作品のリメイクなんだなぁ、と時代を感じる。

ここまででも、かなりの水準の出来だなと思わせてくれたのだけど、オリジナルでアニタ役を演じた現役のリタ・モレノのキャスティングは、本当に感動したなぁ。。
スピルバーグらしいというか、粋な演出に胸熱…!
Filmarksの皆さんに聞いていなかったら、誰かわからなかった。
オリジナルのドクの立ち位置とは、少し設定も変わっていたしね。

オープニングの工事現場のシーンもカッコ良かったけれど、最初のトニーとバレンティノ(リタ・モレノ)の缶詰屋でのシーンが、私はとても好きだ。
ここを観た瞬間に、既に良い作品なのでは⁈と期待値がぐんぐん上がった!

♪ I Feel Prettyのマリアの可愛らしさ、
♪ Somewhereを歌うバレンティノの切なさ、
♪ Cool のシーンはやっぱりクール!、
♪ Tonight、♪ Maria、♪America、♪Mambo等のスタンダードナンバーは言わずもがな、
ダンスがキレッキレで艶やか♪
歌も情緒豊かで風刺も効いてて、全曲全てがハイライト❗️
これは、ミュージカル界の大いなる遺産!!

クラプキ巡査との歌のシーンは、やはりオリジナルに軍配が上がってしまうが、これも今作には外せないテーマ。
若者達の素行が悪いと責めるけれど、親がどうしようもないのだからしょうがない、社会的な病気なんだ!と訴える姿は、マリアとトニーの恋愛の裏のストーリーだけれど、切実でこの問題の本質を突いているようにも思う。
そういう所もしっかり描いているのが、ただの恋愛ミュージカルだけになっていない所以じゃないかな。

男達の不毛な争いを、大きな愛で包み込もうとする女達。
♪ A Boy Like That / I Have A Love は、本当の愛とは何か?問いかけるマリアとアニタの悲しくも美しいシーン。
マリアに"あなたも恋したでしょう?"と言われてハッとするアニタ。でも、愛する人を殺した相手が憎いのは当たり前。。
マリアはなんて事を言うんだ!と
思うけれど、、
でも人を愛する気持ちは、理屈ではないよね。
'あなたがベルナルドを愛するように、わたしもトニーを愛してる'というマリアの悲壮な想いに、胸が震えて涙が溢れる。。
そして、それを理解しようと努めるアニタの慈悲深い愛。。
物事が、ただ善悪だけで決められない事を象徴するシーン。
もしかして、今作で一番好きなシーンかもしれない。(が、その先に悲劇が!)

違う移民の若者同士の小競り合いが、だんだんエスカレートしていく様は、本当に恐ろしい。
最後はやはり、何故こんなことに…となる。

わかっていても辛い。

友情、
恋愛、
家族愛、
郷土愛、
大人が子どもに注ぐ愛、、

色んな形の愛を描いた今作。
行き過ぎる愛が、不幸を招くのが皮肉だとも言えよう。。

ロミオとジュリエットを下敷きにしたミュージカルだけれど、それだけではないスケールの大きな作品だと思う。

劇中に華やかなダンス、心に沁みる歌を散りばめ、生き急ぐ若者達の青春を、切なくも激しく美しく描いた。

今、この時代に、今作を本当に素敵な形でリメイクしてくれたスピルバーグ監督が素晴らしい。
オリジナルを初めて観た時の忘れていた感情を、思い出させてくれてありがとう❗️

感情が剥き出しで時代を感じさせるオリジナルも、アップデートして観やすくなった今作も、私はどちらも好きかな😊
観た方と、あれやこれや話したくなる。。
そんな作品だった♪



追記

IMAXについて♪
この度、奮発してIMAXで観たのだけれど、これが大正解❗️
特に近頃"目"に来ているアラフィフには、本当に大画面は優しい!
字幕も大きいから見やすいし、とにかく音が全方位から聴こえるというのも、今作がミュージカルという事からして、ナイスチョイスだったと思う。
これからは、洋画は全部IMAXでも良いくらい!

相談に乗って下さったQIさん、ありがとうございました😊😊😊
あーさん

あーさん