pika

ウエスト・サイド・ストーリーのpikaのレビュー・感想・評価

3.0
どこかで「リメイクを見ることでオリジナルの良さに気づいた」ってのを読んだんだけどまさにそれだった。「アメリカ」とかオープニングはスピルバーグ版がめちゃくちゃいいんだけど「クール」や「クラプキ巡査」はオリジナルの方が好きだった。
あとベルナルド。。新ベルナルドも悪くないんだけどオリジナルのベルナルドが良すぎて見てて恋しくなった。
全体的にキャラが薄い。ジェッツのメンバーとか特に。オリジナルでは個性を感じたキャラが最後まで誰だがよくわからなかったり、主演二人のロマンスにフォーカスを当てる分量がオリジナルより濃かった。

想像以上にオリジナルに忠実で驚いた。現代用にアップデートしていたけど筋はそのまんま。だからこそ比較の目線で見てしまう。ダンスパートの迫力、シーン移行の鮮やかさなど全体的に洗練されていて安心感は段違いにあり、さすがスピルバーグなんだけど、比較しちゃうとオリジナルの泥臭さが恋しくなってしまう。歌とダンスで内面を表現するドラマ性はオリジナルの方が断然良かった。命懸けで生きていて、恋をするってのがストレートに伝わるのはオリジナルだった。
ただ、短期間で2回同じ話を見て思ったのは完成度云々以前にこの話自体あんまり好きじゃないということ。「ロミオとジュリエット」がまず好きじゃないし、スピルバーグだから響くかも!と期待したけどだめだった。はなっからお呼びでない観客だった。。

アンセル・エルゴートの件に関しては、見ていてやっぱノイズにはなった。気にしないようにしようと思うことがもう意識してるってやつ。
オリジナルと同じ流れだし告発は撮影完了後だったとはいえ、行き違いの起こる発端となったドクの店でのクライマックスでのあの事件は見てられなかった。変えるのかなと寸前まで願ってたけどそのまんまだった。そうしないとあそこまでの嘘は出てこないのかもしれないし、どうしようもない部分なんだろうけどキツいのはキツい。
オリジナルではキャラの性格を考慮してアイスをわざわざ退場させたりと手を加えているのにスルーされてたのもキャラ描写の薄さを冗長させてた感。メインキャラ以外はモブな感じ。
ラストシーンもオリジナルの方が好きだった。
スピルバーグ好きだしオリジナルに思い入れがあるわけでもないのけど、先に見た方が印象に残るってことなのか、それぞれ良し悪しがあるってことか。。
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