オリジナルの映画は名作ですが、それに劣らない完成度でした。前作の歌と踊りが大好きなので、それをブラッシュアップしたミュージカルシーンが流れるたびにテンションが上がりました。
一方で、曲は編曲含めてほぼオリジナルそのまま。ダンスも大きくイメージを変えない演出でした。曲の入る場面構成が若干変わっている程度で、前作からの大胆な改変はなされていません。その分前作ファンとしては安心して楽しめるのですが、思い切って舞台もミュージカルも現代的にアレンジしてみても良かったのではと思います。
前作同様、お話はロミオとジュリエットのリメイクですが、今回はラストでキリストの十字架降架を象徴するような演出があったのが印象的でした。みんなの罪を背負って死ぬイメージで、しかもその場にいるのはマリアです。
スラムが取り壊され綺麗な街に居場所がなくなる移民たちという構図は、昨年の『イン・ザ・ハイツ』に近いです。
