どうしちゃったのスピルバーグ監督?って作品。
期待度が大きかっただけにかなりがっかりした。
黒澤明もそうだったが、若いころ名作を撮り続けた監督が晩年に高尚で意味不明な作品を撮りだすというのはよくあるパターンだが、今作はそれ以下。
というか、いっそ超難解なわけ分からない物でも撮ってくれた方がまだ良かった。
正直、今作観るぐらいなら1961年版を観たほうがよっぽど楽しめる。
スピルバーグが満を期して撮るのだから、思ってもいないような違う形の「ウエストサイド」を魅せてくれるのだろうと期待したのだが、ストーリーは全く同じ。
音楽は劣化版。
見せ所のダンスときたら、ショボすぎて笑える。
元ネタのダンスの方がよっぽど良かったし、これ観るのならマイケルのミュージックビデオの方が数百倍見応えがある。
もう、なぜ撮ったのかが理解できない。
多くの名作を生み、それの劣化版を嫌というほど作られたスピルバーグ監督なら、オリジナルを超えるものを作らないと意味が無いって一番解っているはずなのに、今作である。
お手軽に儲けちゃおうとでも考えたのか、ボケちゃったのか・・・・・
とにかく監督の黒歴史であることは間違いないだろう。
余談。
そりゃ、今の技術でアレンジも変えてバーンスタインの名曲を新しく録り直したのだから、音は良いよ。
でもね、音楽ってそういうものじゃないんだな。
もう、あのローファイな音で頭の中に刻み込まれてしまっている名曲。いっくら綺麗にしてもらっても感動できない。
「アメリカ」なんて、レベルオーバーで歪んだスネアのアクセントが気持ちいいったらありゃしない。
極論を言ってしまうと、ノイズも含めて名曲なんだよ。