ひろ

ダンジョンズ&ドラゴンズ/アウトローたちの誇りのひろのネタバレレビュー・内容・結末

3.4

このレビューはネタバレを含みます

TRPGらしいアイテムをうまく使って状況を切り抜けるカタルシスを映画全体に用意している点が良い。

セットアップも早く、元仲間の領主から娘を取り戻すという目標がすぐに示され、ダレずに見れた。

しかし序盤の『7人の侍』的な仲間集めパートがかなり退屈に感じてしまった。キャラの能力と職業が紹介されるのだが、性格描写がイマイチ地味で、どんな目標を持っているかも明確になってなかったため、その後のキャラもイマイチ好きになれきれなかった。
ゲスト的に参加するキャラが一番興味深く、真面目で誠実すぎる描写をうまく主人公との掛け合いで見せたり、偉人の言葉を引用してしゃべったりとキャラ立ちしていた。
そのキャラの個性とそれによる弱点をどう面白く観客に見せていくかが、やっぱり重要だと感じる。

ストーリー展開も「伏線回収のカタルシス」はあるものの、「プロットによるカタルシス」は薄いと思った。テーマに対して主人公が向き合っていくストーリーラインとしてのプロットは皆無で、本当にRPGのシナリオをなぞっているような構成だったのが少し残念でもあるが製作陣の狙い通りである気もする。

(「伏線回収」と「プロット」のカタルシスを両方一気にやるピクサーはやはりすごい。)


今作の一番いいところはコメディシーンの多いところで、二幕からは時間を感じずに見れた印象がある。marvelにも近いかもしれないが、今のハリウッドの売れ筋なのだろう。
ひろ

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