Hiroki

ダンジョンズ&ドラゴンズ/アウトローたちの誇りのHirokiのレビュー・感想・評価

4.1
今年に入ってから映画館の予告でちょくちょく目にしていて「なんだこのふざけた映画は。だれがみるんだろう。」と思っていたのですが、好きな批評家がかなり絶賛していたり試写等で見た人の評判がかなり良かったりとどんどん気になり。
結果、3/31の激戦区の中『トリとロキタ』『生きる LIVING』『エスター ファースト・キル』などを押しのけて1番に鑑賞!
めちゃくちゃ面白かったです!

今作は日本も北米と同時公開。
北米では2週目の『John Wick: Chapter 4』を振り払い初週TOPの約3,700万ドル(約49億円)、北米以外でも約3,300万ドル(約43億円)を叩き出し全世界興収約7,000万ドル(約92億円)とかなり好調。
日本では初週1億円。まーなんのフラインチャイズでもない実写洋画にしては頑張っているでしょうか。
今後どーなるか?

そもそも原作は世界初のRPGと言われるテーブルトークRPG(テーブルゲームの一種)。
『E.T.』の冒頭に出てくるらしいのですが、全く記憶になく未経験。
さらに過去に映画化もされていたり、アニメーションになっていたりかなり人気作のようですが私は全て未見。
ちなみにこの新作映画に関しても紆余曲折があったみたいで2013年から動き出した企画はワーナー・ブラザーズ、ユニバーサルと揺れ動く中でパラマウントが権利を獲得してなんとか今回公開に。
クリエイターも色々な人の手を渡り最終的にはジョン・フランシス・デイリー&
ジョナサン・ゴールドスタインの『ゲームナイト』のコンビに。
この選択が最終的には非常に良かった気がします。

そろそろ内容にいきますが、何が良いって映画ど真ん中を突き進む作品!
世の中の人が映画に望むものが全て入っているような。
昔ってそーいう作品が多かったような気がするんだけど、最近はMCUやDCEUを初めとするフランチャイズ映画が非常に多くなって映画単体で楽しめる作品が少なくなった。全体の文脈がわからないと楽しめないような。
でも今作は前情報はほとんど無くても楽しめる。
それもファンタジー、アクション、コメディ、ラブストーリー(少し)全ての要素のバランスが見事に調和されている。
別の見方をするとあまり特筆するような要素はないんだけど、昨今このような映画を摂取していない私たちは十分に満足できるはず。
まさに最高のポップコーンムービー!

何よりまずはキャラクターが素晴らしい!
戦略化で自らは戦わない主人公、相棒の女戦士、ヘタレな魔法使い、ツンデレなモンスターとの混血ドルイド(祭司)、超真面目な聖騎士、そして悪徳詐欺師のヴィランというめちゃくちゃわかりやすくて魅力的なキャラ。
それを“キャプテン”でも“ソー”でも“スターロード”でもない『スタートレック』シリーズのクリス・パイン、
『ワイルド・スピード』シリーズのミシェル・ロドリゲス、
『ジュラシック・ワールド』シリーズのジャスティス・スミス、
『IT/イット』シリーズのソフィア・リリス、
『ブラジャートン家』シリーズのレゲ=ジャン・ペイジ、
そしてヴィランをヒュー・グラントが演じるという豪華布陣。
海外ドラマや洋画好きな人ならめちゃくちゃテンション上がるはず!
しかもキャラクターにはそれぞれセカンド設定みたいなものがありまして、主人公のエドガン(クリス・パイン)は自分の欲のせいで妻を殺されていたり、女戦士ホルガ(ミシェル・ロドリゲス)は結婚のために部族を追放されていたり、ヘタレ魔法使いサイモン(ジャスティス・スミス)は由緒正しき名門の血筋を引いていたりとそこらへんもしっかり本編にも関わってきます。
そしてカッコいいレゲ=ジャン・ペイジとかわいいソフィア・リリス。
文句なし。

コメディも素晴らしくて特にこの部分を引っ張るのがクリス・パイン。
彼が基本的にツッコミ役に回って仲間たちと敵のあらゆるボケにツッコミまくる。
めちゃくちゃ笑えます。
ただ言語的な要素も色濃くあるため英語の苦手な人はちょっと難しい箇所もあるかも...吹き替えで観た友人がそっちも面白かったと言っていたのでそちらも併せて。

映像的にも序盤のドリックが色々な動物に返信しながら逃げ回るシーンや中盤の空間移動ポータルの杖を使って城に潜入しようとするシーン、終盤の大迷路でのデスゲームシーンなどなど定期的に見せ場を作っているので134分間めいいっぱい楽しめる。

さらにこの4月に公開というのも日本では最高のタイミングで
「どーやって仲間を作るのか?」
「どーやって信頼を勝ち取るのか?」
「どーやって自分自身を乗り越えるのか?」
みたいな新入生、新社会人、新しい環境に飛び込む人たちにはピッタリのお話。

いやー本当に悪い要素がほぼ見当たらず、大部分の人たちが楽しめるんじゃないかと思う秀作。
真のヴィランであるザス・タムや脱獄に失敗したフォージ(ヒュー・グラント)などまだまだ物語は続きそうなので、続編に期待!

2023-24
Hiroki

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