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ダンジョンズ&ドラゴンズ/アウトローたちの誇りのLCのレビュー・感想・評価

3.8
面白かった。

怖さにも痛さにも耐性のない私が、わくわくと冒険を楽しめる塩梅。素敵。

特に面白かったのが、「死者に5個質問する」ことができるのと、「高知能を有する生き物の脳を食べて体を操る」生き物がいること。
死者には、生前の知識とか記憶を訊ねに行ってるのだけれど、つまりそれらは「脳」ではなくて「魂」に保存されてるって考え方で見ることができる。
一方脳を食べて体を操るのは、たぶん意識とか何ていうか、その人がその人である部分を根こそぎ奪って、体を自分のものにするってことかなと思う。これもある意味、「その人の死」だとは思うのだけれど、体を操る者が宿る限りは魂を呼ぶことができないかもしれない。
そんなことを考えたりした。
あと1つの質問は、自分で自分にしても効力あるかな。気になる。

仲間の魔法使いさんがとても好き。
特に、あまり抵抗しないところ。忍び込めたぞ、何もないな!?足元から何かくる、そっかあ。諦め顔で素直に捕まる。
現状を受け入れるのが早過ぎるぜ、と感じられる瞬間があって、そういうところが「おとぎ話じゃなくて、現実の話なの、魔法ったって限界あるの」という台詞を言う人として、しっくりくるなあと。
彼のおかげで、制限がある中で各々が試行錯誤する様子に、しっかり説得力が付与されたように感じる。何でもできるわけちゃうねんな、だから工夫も必要だし、精神的な闘いも避けられないんやな。
きっと蜂になって首に1発プスッとしたり、毒蛇になって足首をガブッとやったりってことは、難しいんだろう。毒を生成できないだろうから。きっとそういうことなんだ。何でもありなわけちゃうねんな。
だからこそ、面白い。

誰かに共感してもいいし、不思議な世界を堪能してもいいし、興味深くひとつひとつを考察しても良い。色んな楽しみ方ができる。最高。
鑑賞時はジュースとポップコーンを忘れずに装備したい。飲めるのであれば、きっとお酒がお供でも楽しい。

まんまるドラゴンさんは、やはり食いしん坊なんだろうか。普段何食べてるんだろう、脳を食べるあの子たちかなあ。
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