アナ

キャッツのアナのレビュー・感想・評価

キャッツ(2019年製作の映画)
4.0
舞台ファンです。

相当やばいの覚悟して観たので、言うほど悪くなかった。
めちゃくちゃ良い部分と、どうしようもなく微妙でセンス悪い部分が混在していた。頭抱える→おぉ!→頭抱える っていうのを2時間繰り返していました。

まず微妙な点

1.メイク
素顔すぎるネコはやっぱり人面猫さが拭えなかった。マンゴジェリー&ランペルティーザとか、ミストフェリーズは目のところに模様があったり、スキンブルシャンクスはフワフワしていて人間としての輪郭がぼかされていて良かったので、やっぱり全ネコにキャッツメイクみたいなのは施して欲しかったなぁと。特にヴィクトリア。あと鼻はネコっぽく黒く塗って欲しかったな。

2.ダンス
ダンスのエフェクト加工はやめてほしかった...ねこの身軽さを表現してるのか知らんけど、全体的に動きが不自然で、それこそCGでいいじゃんねってなる...ダンスからアナログさを奪ってはいけない。名だたるダンサー集まってるわけだし、リハ映像の方が見応えあるんじゃないかな。
あと、耳とか尻尾とかなんかニョロニョロしすぎて、そこまでやる必要あるか?と思った
唯一、スキンブルシャンクスは地に足ついたがっつりタップで、こういうのをミュージカル映画で観たいんだよと思いました。

3.カメラワーク
四足歩行、上から撮らないで欲しい...
真上も斜め上も禁止だよ...
真横か、斜め下から撮ってお願いだから...
あと、寄りが多くて人面猫味が強い子は見苦しかった。

4.マンカストラップ
後述

他にも
・ジェリクル舞踏会、途中まで割と良かったのに突如微妙になって萎えた、でもクライマックスに向けてまた良くなった

・オープニング、猫たちがゴミ捨て場をカサカサ動くのがすごく不気味で他意なくただ気持ち悪くて、オープニングから涙が出そうになった

とか色々あるけど、だいたい上記が微妙ポイントでした

良かった点
1.スキンブルシャンクス
最高。このレベル感で全部やってくれ!!と思いました。これがミュージカル映画ですよ

2.マキャビティ(曲)
マキャビティ自体は全編微妙だったけど、ボンバルリーナが歌う曲と演出自体は良かった。ボンバルリーナはマキャビティ側にしたんだね。

3.オリ曲、Beautiful Ghost
なんならメモリーより良くて泣いてしまった。油断してた。

舞台でいう2幕から良くなった感じ。普通のミュージカル映画がやっと始まったと思いました。あの劇場みたいなとこで最初からやってくれれば良かったのにとおもいました。

以下、各ねこ

マンカストラップ
すごく好きなねこなのに、どうしたお前...気高さとリーダー感と、美しさと...という舞台のカリスマ性は皆無。なんならちょっと変態っぽく見えた。でも最後の方ちょっとかっこよく見えてきた頃に映画終わった。
なんか、大学のテニサーの部長?みたいなかんじ、、新入生にちょっと手を出しかけたみたいな。何しとんねんみたいな、、
もっとフワフワにしてほしかったな。ダンスはうまかった

ジェニエニドッツ
良かった!曲もジャジーでアレンジ良い。舞台版より良いかもと。レベルウィルソンは可愛いですね。全体的に良いキャラしていて好印象。恰幅あるねこの方がかわいいかも。

ラムタムタガー
なにひとつかっこよくない、、女子の心が骨抜きになるくらい痺れるかっこよさをもつのがラムタムタガーなのに、なんか編曲もセンスないし方向性も良くわからない、極め付けはグリザベラか誰かに話しかけた後に立ち去っていくときの走り方がダサ過ぎて心底萎えた...ジェイソンデルーロ、ダンスやムーブメントもう少し頑張って欲しかった。歌も、ポップス歌手ですって感じがな..でもこれは仕方ないね、この作品に限らず、この人だけではない。

マンゴジェリー&ランペルティーザ
舞台で一番好きなパート。ダウナーな曲調の方でしたね。やっとメイク的にまともなねこが出てきて、ずるくて可愛かった。ただ、もっと踊って欲しかった。結局ヴィクトリアと3匹だったなーとおもったけどまぁ総じてそこまで不満はない

バストファージョーンズ
そこまでジェームズコーデンが叩かれる必要はないと思った。あかんのは演出や。

ガス
可愛かった、癒しパート。映画版はグリドルボーンではなく自分語りになってます。割と舞台そのままって感じ。
クロールタイガーが別キャラクターとしていて、さらにそれを倒したのは驚いた。好きな演出です。

スキンブルシャンクス
一番良かった!!!!!!!映画の前に曲を先に聴いてたんだけど、曲だけでも本家越えかもと思ってたが、映像も良かった。ここの部分だけでももう一度観に行きたいくらい。スキンブルシャンクス自体も舞台版とまた違ったいでたちで良かった。


マキャビティ
全編通してお前何やっとんねんと思った。
一番良いクライマックスの部分でまた出てきたのはなえた

ボンバルリーナ
美人なねこだなーと思ったらテイラースウィフトでした。すごいね。歌もいい。仕方ないけどダンスは弱い。
エンドロールのビューティフルゴーストもテイラーが歌っていて、ポップス歌手なのにやるなぁと思いました。(当方、ミュージカル俳優と歌手は別物だと思っているので)

ミストフェリーズ
舞台版はダンスの名手が演じる役。
映画で好感度爆上げになったねこ。フワフワしててルックスが可愛い。だれもーがーを何回やんねんと思った。良いから早く踊ってくれと思ったけどおどらずにCG手品まみれだった。でも良かった。俳優さんの役づくりが好きでした

グリザベラ
ジェニファーハドソンはジェニファーハドソンだなと思った。歌上手いのかもしれないけど、役づくりが一辺倒というか。

ヴィクトリア
ロイヤルバレエダンサーフランチェスカちゃん。可愛かったけど、終始同じような表情だったのがなんだかなぁと思いました。ダンスシーンも、加工しなきゃ良かったのに、残念だったがそこは彼女は悪くない
ヴィクトリアに舞台でいう観客の役割を持たせてるのも面白いと思ったけど、カメラで抜きすぎかなと思いました


総じて、舞台に忠実で、映画として脚本のアレンジを加えたのは分かった。でも舞台ファン向けかなぁ。
元からストーリーがないのにここまで長年愛されるミュージカルだからすごいわけで、この作品に起承転結を求めてはいけない。それが、初見の人は果たしてわかるのかねと思った。どうせわからないのであれば微妙な改変加えずにダンスと歌を極めて振り切れて欲しかった。

振付はバレエ要素多すぎかな。海外版や四季版のキャッツ特有のねこの動きの振り付け消え去る。

そもそも、舞台とは別物なんだろうけども、キャッツという作品のねこに対してかっこよさを全然感じなかった。。

文句言いながらもまた観に行く気がしてならない。
アナ

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