にぃの

キャッツのにぃののネタバレレビュー・内容・結末

キャッツ(2019年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

散々悩んだ結果、やっぱり観ることにしました。
ロンドンとブロードウェイで観て、大切な宝物のようなミュージカルなのです。
本当に沢山ミュージカルを観てきたけれど、ロンドン版を観た時のワクワクと感動はベスト3に入ります。忘れられない。
だから、この映画の予告編を見た時、おい💢ってなっちゃって…でも、観ないで文句を言ったらあかん、と思い直しました。
今回はいつにも増して主観的なレビューです。
そして、長いです🤣

まずどうしても言わねばならない事。どうしてあのビジュアルにしたんだ!
豪華絢爛なキャスト、顔が分からなかったらもったいないから?アップにした時、その繊細な表情を堪能してもらいたいから?
いやいやいやいや、あれは絶対あかんかったと思う。
予告編であれを見て、やーめた!ってなった人、かなりいたと思うの。
もったいないじゃん!最高のキャスト揃えて、CGフル活用して、新曲も入れて作ったんでしょ?観て貰わなきゃ意味無いじゃん!
身体が人間寄りなのは仕方ない。ダンスは猫の身体であの美しさを出すのは無理。でも、顔はさ!舞台のメイク、あれ、ものすごくよく出来てると私は思っています。特に鼻から口の周り。あのメイクがあるだけでグッと猫に寄るし、違和感薄れたと思う。あのまんまで良かったよ。あのメイクのまんまで。ちゃんと誰だか分かるよ!表情も喜怒哀楽も伝わるよ!CGでいじればいいってもんじゃないのにさ。本当に腹立つわ💢

キャストについて。
オールドデュトロノミーをメス猫にしたのは、ジュディ・デンチありきですな?それは良かったと思う。あの存在感は本当に貴重。長老猫としての説得力よ。舞台版の深いバリトンも聴きたかったけど、ジュディトロノミー好きでした。
ヴィクトリア、可愛すぎるわ😻白猫じゃなくて模様あるのね。しなやかで美しい、仔猫から成猫になる途中、みたいな佇まいが最高でしたね。新曲も美しい曲で馴染んでたし。
ラムタムタガーは、監督と私の解釈が違いました。あんな健康的なラムタムタガーはないわー。下衆な色気ムンムンだから、メス猫たちがはべるんでしょーが!
ガスも良かったなあ。さすが重鎮、イアン・マッケラン。全盛期のガスの曲が丸々カットなのは残念無念だけど、あの短いシーンで心を揺さぶられたのは凄い。
マキャヴェティ、前半はカッコ良かったし、イメージ通りだった。が!後半ちょいちょい、ここ要らねー!って思ったのはマキャヴェティ関連のシーンばかり。あんな安っぽいヴィランズキャラにしないでほしい!
グリザベラ、ちょっと若くてパワフルすぎる。ジェニファー・ハドソンには何の非もない。素晴らしい歌唱だった❣️でも、スターから転落して娼婦に落ちぶれて、もう過去にしかすがれない…みたいな悲哀はあまり感じられなくて、そこが物足りない。
ボンバルリーナ、スキンブルシャンクス、良かった👍
ミストフェリーズ、役の重さがかなり上がってましたね。
マンゴージェリー&ランプルティーザの曲、実は私は別バージョンのも好きだったりするんですが、この映画の雰囲気だと、よりジャジーなこっちバージョンの方が合うのかな。
ジェニエニドッツも若過ぎるように感じたかな。気の良いオバちゃんのイメージなので。

その他雑感。
街の風景、大きな月が輝く夜空、綺麗でした。
縮尺のバランス的に、⁉️ってところが結構あったんですが、どうなんですかね…
ちゃんと計算して作ってるのでしょうが、どうしてもそこは限界があるのだろうな。
スキンブルシャンクスのナンバーで、ビッグベンを背景に線路を行進するところ、ああいうのは映画でないと出来ないですね!
ミストフェリーズの振り付け、超絶連続スピンは残して欲しかった…あそこ大好きなのにー!
ラスト、ザ・アドレッシング・オブ・キャッツのナンバーが終わったら、すっぱり幕!にして欲しかった。
オールドデュトロノミーにあんなんわざわざ言わせなくても分かるし!蛇足。グリザベラのキラーン✨も要らん!
もともとストーリーはあって無いような、詩集が原作のミュージカルなので、映画にするにあたりヴィクトリアを主役に据えて、映画として成立する形にしたのは理解出来ます。
ただ、これ、舞台版も観たことない、全くの初見っていう人は、つまらないって思う人も多いんじゃないかな、とは感じますねー。
舞台版も割と好き嫌い分かれる作品だと思うし。レミゼやオペラ座みたいな、物語としてもしっかりしたストーリーがあるものの方が、映画にした場合には受け入れられやすいんじゃないかと。

今読み返したら、文句多いな笑笑
でも、総合的に見て、評判よりもずっとずっと良かったと思うし、舞台版へのリスペクトも充分感じられて、私は満足でしたよ👍
観て正解。私は。
にぃの

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