エイデン

ザ・グラッジ 死霊の棲む屋敷のエイデンのレビュー・感想・評価

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2004年、東京
家政婦をしているフィオナは、勤め先のウィリアムズ家を出ると、慌てた様子で家族へ電話を掛け、アメリカへ帰ると訴えていた
やがて何かが後ろに立っていたり、足元のゴミ袋から腕が飛び出してくる幻覚を見たフィオナは、逃げるようにその場を後にする
そのままアメリカの自宅へ帰ったフィオナだったが・・・
2006年ペンシルベニア州クロスリバー
夫をガンで失った刑事のマルドゥーンは、まだ幼さの残る息子バークと、戸惑いながらも前を向こうと新天地で暮らし始める
新たな職場へと出勤したマルドゥーンは、相棒として指名されたグッドマン刑事と、変死体が見つかったという現場へ向かう
そこにあったのは、放置車両の中に残っていた腐乱死体で、シーズンオフで道路が封鎖されており発見が遅れたらしかった
死体の身元はムーディという人物で、自殺幇助を生業としておりFBIからも目を付けられていたのだという
ドアには鍵がかかっていたが、車の中に何かが乗っているようだったと現場の警官は話す
更に車内には、“レイバーン通り44番地”と書かれた紙が見つかったと報告を受け、2年前に起きた“ランダース事件”と同じ住所と知りグッドマンは凍り付く
グッドマンは多くを語らなかったが、気になったマルドゥーンが調べてみると、一家全員が死亡したという悲惨なもので、他の事件との関連が疑われていると判明
更に他の刑事からは、当時グッドマンは担当だったのにも関わらず、家の中に入らなかったという奇妙なことを耳にする
翌日 1人で住所にあった家へ向かったマルドゥーンだったが、いくら呼んでも返事が無く、家の中へと入って行く
そこにはマシソンという老婆がいたが、彼女は様子がおかしいばかりか、左手の指が全て切り落とされており、マルドゥーンは異変に気が付くのだった
錯乱してしきりに助けを求めるマシソンを置いて外に出ようとしたマルドゥーンは、突然ついたテレビの前にマシソンの夫と思しき男性の腐乱死体があるのを発見し緊急通報する
マルドゥーンはその後 夜道を車で走っていると、道の真ん中に幼い少女が現れるが、すぐに消えてしまう
不可解な出来事が連続しながら、マルドゥーンはその足でグッドマンの自宅へ報告に向かうのだった
そこでグッドマンは、ランダース事件の詳細を語る
ランダース家で起きたこの事件は、日本から帰国したフィオナという女性が娘と夫を惨殺した後 自ら命を経ったというものだった
グッドマンは当時 家から異様な雰囲気を感じており、相棒のウィルソン刑事も幽霊屋敷だと信じていたと語る
亡くなった母親の影響もあって信心深くなっていたグッドマンも、それで中へは一切入らなかったらしい
幽霊を信じないと返すマルドゥーンは、事件の真相を掴むために捜査を続けるが、家にまつわるおぞましい呪いが明らかになっていく



『呪怨』のハリウッドリメイクシリーズをリブートした作品

ハリウッド版1作目の『THE JUON 呪怨』と同じウィリアムズ家から始まる全く別の物語
『呪怨 ザ・グラッジ3』のように、佐伯家から伝播した呪いがアメリカに渡り、誕生した新たな呪いの家を舞台にしている
また作中に佐伯家やカヤコの名前も登場せず、完全にアメリカへ居を移した感が強い
この辺りも賛否ありそうだけど、リブートらしい思い切った舵の切り方で良いと思う

オリジナルシリーズの不気味さや不穏さというのは仄かに感じるものの、オリジナルシリーズには到底及ばない印象
呪いもアメリカに行ったらアメリカにかぶれるのか、パワフルなホラー描写中心だし、最近よくあるホラー映画の範疇からは出てないかな
というかグッドマン刑事以外、割とフラットに呪いの家入りすぎ問題

それでもところどころ、ビジュアル的にもおっと思うシーンはあるし、様々な人物が様々な方法で追い詰められていく呪怨っぽさも感じる
ついでに家にまつわる数々の呪いと対峙するオチの辺りは少しテンション上がった

比べる対象がどうしてもオリジナルシリーズになるので、肩透かし感はちょっとあるけど、一応シリーズ化も視野に作られてた作品なので力は入っており、観られる内容にはなってるぞ
観ましょう
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