CMA

男はつらいよ お帰り 寅さんのCMAのレビュー・感想・評価

4.5
正月2日、それほど混んでいないだろうと思っていたのですが、予想に反して満員でした。そして当たり前なのかもしれませんが、ほとんどお客さんが年配のご夫婦だったように見えました。改めて寅さんというキャラクターがいかに日本人に愛されていたのか、その凄さを思い知らされました。
おいちゃん、おばちゃんはお亡くなりになり、満男はすっかり大人になって、博もさくらも随分歳をとってしまいましたが、さくらのいつ寅さんがひょっこり帰ってきてもいいように2階の部屋はきれいに片付けているという台詞に衝撃を受けました。
恐らく20年以上柴又に帰って来ていない寅さんが、既にどこか旅先死んでしまっていて、永遠に再会することはないことを家族や周りの人たちはわかっているのでしょう、思い出と一緒に明るく優しい寅さんの映像が出てくると泣けてきました。作品の中で寅さんが死んでしまっているという正確な表現はどこにもでてきませんが、この50作目の「男はつらいよ」がこのシリーズの本当に最後の作品であることを理解しました。寅さんの笑顔を見てゲラゲラ笑いながら泣いているお客さんもいました。
満男のお話なので、泉ちゃんが出てきたのはとてもよかったですが、やっぱり最後の作品にリリーが出てくれて、それなりに平和に暮していたことが本当に良かったです。最後に御前様が映ったことも良かったです。
この作品で一番感心したことは、寅さんの回想シーンの映像がまったく古臭くなく、違和感も感じることがないほど丁寧に編集されていたことです。山田洋次監督とスタッフの「男はつらいよ」に対する深い愛情を感じることができ、私も幸せな気持ちになりました。
CMA

CMA