ToshiyaYokota

男はつらいよ お帰り 寅さんのToshiyaYokotaのネタバレレビュー・内容・結末

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このレビューはネタバレを含みます

〇DVDやリバイバル上映でしか楽しめなかった、自分が映画好きになった頃にはとっくに渥美清さんが亡くなられていたこのシリーズ。まさか新作が公開されるとは。ただ、満男と泉をある意味終わらせる話で、「男はつらいよ」を終わらせる話になっていない。

〇まず、桑田佳祐の主題歌は残念。本人が悪いとは言わないが、渥美清の、寅さんの歌う主題歌から始まるのがこのシリーズなのにどうして。明らかなスタジオ撮影も萎える。せめて江戸川沿いで歌ってよ。

〇満男が奥さんを亡くしている必要性はあったのか。どうも泉との関係の口実のような気がする。子供も思春期にして素直すぎるというか、まぁ奥さんが優しい方だったのだろうと推察して補完。

〇泉がサイン会に来た後の本に泉とサインしてしまったり、歴代マドンナが「ニュー・シネマ・パラダイス」のごとく流れたりと個々を切り取ればよい部分もあったが、全体として決して明るくない作品。

〇「男はつらいよ」ってやっぱり、寅さんとさくらの映画だと感じている身としては、久しぶりの作品でさくらが印象にほとんど残らないのも寂しい限り。

〇山田組の俳優も登場しすぎて、場面から場面の移行が不自然。アーカイブで出てくる寅さんも名シーンの寄せ集めで、昔からのファン向けのサービスにすらなっていない。何となく最後まで観られたが、なんだかなぁという消化不良な感じ。
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