エレスマン

男はつらいよ お帰り 寅さんのエレスマンのレビュー・感想・評価

2.0
「お帰り寅さん」ということで、今までのフィルムを繋ぎ合わせて寅さんを主人公に、新たなストーリーを作るのか?それともCGで蘇るのか?と、半信半疑ではあったけれど、思わせぶりな予告編と、評価があまりにも高いので、観に行った。
寅さんが、どのように帰って来るのかが楽しみだっただけに、ほんの少し回想シーンに出てくる程度の展開に正直ガッカリ。
主人公はあくまで満男であり、確かに満男の心情としてはつらいだろうが、結果的にこれは、私の知ってる「男はつらいよ」ではない。少なくとも、「お帰り寅さん」ではなかった。
寅さんを偲んで作られた、番外編とでも言った方がしっくりする。
日本の正月映画といえば寅さん。泣いて笑って、見終わった後に元気を貰うのが、「男はつらいよ」。
この作品には、それが無い。
テレビの映画番組で、「男はつらいよ」が繰り返し放映されていた時代は過去の話で、最近では、テレビでも映画番組が消え、寅さんと会う機会も無くなってしまった。
こんなご時世だからこそ、若い世代が、寅さんを知るきっかけになったり、寅さん世代が、改めて過去の寅さん映画を観てみようかなと、そんな気持ちになる人がいれば、この作品の意義はあるのだと思う。