メイプルわっふるG

エスケープ・ルームのメイプルわっふるGのレビュー・感想・評価

エスケープ・ルーム(2019年製作の映画)
3.4
『キューブ■RED』の続きかのような始まり。
『ソウ』シリーズのセリフを意識した終わり。
製作陣の性癖が露呈しまくるデスゲーム系。一部クリスマスもの。

ありきたりな設定ながらネタはなかなか面白い。
むしろ王道なテンプレはネタが命。奇をてらい過ぎればリアリティが失せ、ヌルければ盛り上がりに欠ける。
荒唐無稽でありながら出来ないこともない、というシチュが良い塩梅。

灼熱、極寒、反転、選別、解毒、圧縮、エクストラ。
わかり易い序盤に比べ、あからさまに失速する後半の環境と勝利条件。それを説明ターンとして消化するのは上手いと感心。
けっこうある粗さをゴリ押しでねじ伏せるという勢いも大したもの。登場人物たちは知恵を絞っているけれど、視聴者は頭を空っぽにした方が楽しめる。

おバカ歓迎、不条理上等。そんな心もちな中、ふと気になってしまった幾つか。
寒さに震えながら喫煙。でも微動だにしないタバコ。
息荒く興奮した素人が構えたハンドガン。でもブレない銃口。
もっとガクブルしていても良かったかな。俳優さんの身体能力が高かった故の弊害か。
それと、フルフェイスの全身防護スーツ相手に殴りつけても気絶はしないと思う。

欲を言えば、指紋柄の部屋ではもっと気持ち悪さを見たかった。白黒まだらのヘビや軟体生物系に迫られ絡みつくとか。唯一"何でもあり"が許される状況なだけに勿体ない。

とはいえ、同系統の作品の中では楽しめる出来の良さ。
黒幕の存在もありふれたものだけれど、そこは続編に期待か。黒幕が『ギャラクシー・オブ・テラー/恐怖の惑星』のマスターを彷彿とさせたのは個人的な笑いのツボ。


雑記メモ → ネタバレコメ

2020.12.22 スターチャンネル1
2020.12.03 スターチャンネル1