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THE CROSSING ~香港と大陸をまたぐ少女~の010101010101010のレビュー・感想・評価

3.0
やりたいことや欲しいものがあって、そのためにはそれなりのお金が必要で、たまたま知ることになった手っ取り早く稼げる方法になんとなく手を染めてしまい、気づけば取り返しのつかないところまで来てしまっている…、といったことって、どの国、どの時代でもあるんだよなぁ…と、頭を抱えるような気持ちになってしまった。
それも、深く考えず若気のいたりのような気軽さで、本当の恐ろしさにも気付かぬまま(あるいは躊躇するようなところがあってもそれを直視せずに)、愚かなことに手を染めてしまうようなことから事件に巻き込まれてしまうようなことって、本当に多いと思う。
もともと貧困から手を出してしまうパターンが多かったようなことも、今の世の中、とても身近なところにそういうものがごろごろ転がっている。
闇バイトでも、援助交際〜パパ活でもそうだし、麻薬はもちろん、どこぞの国のテロリストだってそういうところから、気づけば…、ということがあるだろう。
そういった事実は様々な映画で描かれてきた(それを時に「業」と呼んだりもするのかもしれない。「自業自得」の「業」である)。

さて、返還後の香港と大陸とのあいだにも特有のそれがあり、そこに女子高生までもが巻き込まれてしまっている、という事実を、青春映画っぽいタッチで描いている。ヒリヒリする。
最後、親友も、好きになった人も、すべてを失ったように見えて、無理やり、あと味がわるくならないような作りになっている。
エンディングの歌も、なんとなく、わるくない。

人がこういう愚かなことに巻き込まれないようにするにはどうしたらいいのか…、情報資本主義の世の中って、こういった犯罪がますます誰にでも気軽に手に届くところにある世の中になっている気がする。