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きみと、波にのれたらのyawaraのレビュー・感想・評価

きみと、波にのれたら(2019年製作の映画)
3.8
波乗りに明け暮れる女性が大事な人との別れを経験して、その悲しみと向き合いながら自己実現していく。

アニメらしくない、という点では旧来のアニメ映画ファンにはなかなか受け入れ難い作りのように見える。しかしその涼し気なルックと爽やかな物語展開はキャスト陣の演技とも噛み合い、アニメ表現の開拓となっている。そこには湯浅監督の創作意欲を強く感じた。実写映画のようなみずみずしさの中に、監督ならではの幻想的な演出が正に魔法のような魅力を与えている。

キャラクターのバックボーンがしっかり物語とクロスオーバーしていて、構成の土台に安定感がある。キラキラ映画と見せて、なかなか骨太な物語。港がいなくなった後も彼の思いは周りの人の中に生きており、これは強いメッセージであるように思った。
ひとつ不満を挙げるなら、テーマソングを少し軽率に扱いすぎており、最後のひと押しとしての魅力を半減させてしまっている点か。
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