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ザ・ボスのKSのレビュー・感想・評価

ザ・ボス(2018年製作の映画)
3.5
全ての行動がハラスメントであり、ダブル・スタンダードで、差別的言動ばかり繰り返す会社のCEOである主人公と取り巻きたちのビジネス・パワーゲーム映画。


のように見えるが、あまりそこを主題としていない。主題は、そういったパワーゲームをしているクソ野郎達のハラスメントに巻き込まれた女性達の絶望を描いた映画。

警備員の女性のセリフに“人生は絶望の連続”という所や、移民の清掃員の女性の“女性の立場になってみて”というセリフや、主人公の奥さんとの会話、そして最後のオチまで、社会的な権力を含め力を持っているものがナチュラルにハラスメントを繰り出す様を見せつけられる。この映画は、観客の中の男性や権力者に対して、あなたはこういった行為をやってないと言い切れますか?あなたのやってる事はこういう事ですよと暗に匂わせて終わる所に、人生は絶望の連続という言葉が、頭をよぎる構造になっているのではないかと思う。
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