海

アンデッド/ブラインド 不死身の少女と盲目の少年の海のレビュー・感想・評価

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同じことを同じようにして、これ以上息ができなくなった合図をするの。 かれてしまった涙の跡を真っ赤に染まった空が焼いて、それを冷やすように夜が忍び寄っていることにきっときみは気づけない。鮮血は温くても指先から冷えて、接続の悪くなったコントローラみたいにわたしは痺れ切っていた。眠っても夢を見ないのは、祈りを忘れてしまったせいかな。目を覚ませば死んでしまうことを知っていた。ただきみの、握りしめた少し冷たい手が、霧になってここを包み込むところが見たかっただけ。爛れた羽を持った天使と極夜で夢を見ていた獣。闇の中を見据えていたわたしたちがお互いを貫いた時、何もかもつながった。おやすみ、おとぎ話の結末は、明日が来るまではひみつ。
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