これ、先に見た “Sink or Swim” と同じ実話から作られた映画なのね。フランス版かイギリス版か、の違い。
だから男のシンクロナイズド・スイミングチームが女性コーチと共に世界選手権を目指す、という話の骨子は同じ。
違うのは、フランス版ではチームは最初はかなりダメダメで、主人公が関わるようになってから格段の進歩を見せる、という感じだったけど、
本イギリス版では最初からある程度の演技はできるレベルのチームに主人公が参加してくる感じ。
また、女性コーチの関わり方も違う。フランス版はコーチの物語もかなり盛り込んで、熱血指導、選手への関わり方も深い。対して、本作ではチームリーダーとの恋愛エピソードはあるが、選手との関わりは軽い。
で、主人公を含むチームのメンバーたちのキャラクターもフランス版の方が立ってたかな。特に、主人公に感情移入できない。冒頭イジケまくるのも情けなさ過ぎるし、ラストだって、自分ががんばったから妻も許してくれちゃうって言うのは、脚本甘過ぎるでしょ。だって、妻が愛想を尽かしたのは、自分のことばかりで、妻の仕事や立場を全く理解してくれなかったからで、シンクロの世界選手権で良い成績を取ったから解決される問題じゃない。脚本が浅い。
この実話は「スウェーデン」のチームが優勝した実話に基づいているのに、それを自国(イギリス)のチームに置き換えて映画化しちゃうって、いいのかしら? なんか都合良すぎる。
同じ実話に基づく映画なら、私はフランス版 “Sink or Swim” の勝ち。