Nono

バード・ボックスのNonoのネタバレレビュー・内容・結末

バード・ボックス(2018年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

Netflixオリジナル。
この手のスリラーものは、単に恐怖を煽るかよくわからないストーリーが多い中、個人的には久々に見応えと考察のし応えがある作品でした。

わたしがキーワードだと思っているのは"繋がりない人間関係"と、この作品の題名"BIRD BOX"。

ネットを通じて人との繋がりがさらに広範囲に、安易になった現代。しかし、それは実際に出会ったことがないオンライン上での繋がりであり、実物と対面で接したことのない人も数多い。
そうした人間関係は、正体不明の"それ"という恐怖体験によって、いとも簡単に壊されてしまう、"脆い人間たち"を象徴しているように思えました。

主人公のマロリーが、人間関係を煩わしいものと捉えていたのも、そうしたメッセージを表現していたのかなと思います。

そしてこの"BIRD BOX"というタイトル。
結局こうした脆い人間関係でしかない、他人たちは、目に見えない"それ"に脅かされた結果、自由を奪われたカゴの中の鳥状態に。

人間関係において、もちろんそれ以外においても、本当に大切なものは何で、本当に目に見えているものだけが全てなのか、本質を考えさせられました。

あとは、生きるために必要な視覚と自由を奪われ、盲目の人たちが生き残れるようになっている今回の作品。"それ"を見ると死んでしまう。"それ"の正体は明かされておらず、なんだか腑に落ちていない方もいるのかなと思いますが、恐らくこの"正体"はこの映画の本質ではないかなと。(そこがこの映画の良し悪しを判断する軸じゃないってこと)


まだまだ監督の大きなメッセージが隠されていそうな気がします。
Nono

Nono