naoki

バード・ボックスのnaokiのネタバレレビュー・内容・結末

バード・ボックス(2018年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

見たら終わりという設定で突っ走る、その突破力は中々すごいね。ただ、その突破力のままゴールまで走りきれなかった感じが残念。

平和な日々に突然訪れた集団自殺事件。どうやら見た瞬間、自殺したくなってしまうという突飛なモンスターが現れたらしい、、というところから、如何に視覚を使わずに生き残るか、というサバイバルストーリーが始まる。この辺の展開は上手かったね。

サンドラ・ブロックは流石。母の自覚がないところから他人の子までを自分の子供と言えるまでに成長する過程は、サバイバルストーリーと並んで、もうひとつの大事な軸になっていた。

サバイバルはゾンビものと同様、外部からの新たな客を家に入れるかどうかというところがキモになっていて、結果としてそれが大惨事を招く。この辺は良くある展開で意外性はないから、もう少し尺を削って欲しかったなあ。

そこから精神疾患者だけは、モンスターを見ても死にたくならない、という謎設定が持ち込まれて、すこし雲行きが怪しくなる。だとしたら、モンスターを見ると人を殺してしまう、という設定の方が自然だよなあ。

川下りから森の散策までは、もはやサンドラ・ブロックの母としての成長しか描かれていない。あくまで後半は主軸がそこなので、まあ許せなくもないけど、サバイバルストーリーとしてはいただけない。

そしてラスト、親としてのストーリーは、子供に名前を付けるところで完結する。しかし、サバイバルストーリーとして、終着点が盲学校ってどうなんだろうな。目の見える人もいるし、そこだけ安全というのが理屈に合わない。ここだって食糧も尽きる訳だしそこに居るわけにはいかないんじゃないかと思うのだけど、その辺どうなんだろうな。一旦、安全な場所に着いただけ、という感じで終わるのはちょっとなあ。ワクチン的なやつとか、ちょっと解決策匂わせたりとかするだけで俺みたいなお客さんの溜飲を下げられただろうに、、

ラジオ使ったCMとかホント上手くて、あれは見るしかないよなあ。その辺りのマーケティングは結構感心した。中身がそこまで伴わなかったのが残念、、
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