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スノー・ロワイヤルのGakuのレビュー・感想・評価

スノー・ロワイヤル(2019年製作の映画)
3.6
 ノルウェー映画『ファイディング・ダディ——怒りの除雪車』(ハンス・ペテル・モランド監督、ステラン・スカルスガルド主演、製作:ノルウェー・スウェーデン・デンマーク、2014年)を同モランド監督が米国でリメイクした作品。ドラッグ犯罪に巻き込まれて息子を殺されて、いい感じで狂ったお父さん役をリーアム・ニーソンが演じています。原作ではノルウェーとスウェーデンとの国境近くが舞台で、地元のノルウェー・マフィアとセルヴィア系マフィアとの抗争が中心になって話を進められますが、この作品ではカナダ国境近くのリゾート地に舞台を変え、地元の白人系マフィアとネイティヴ・アメリカンの犯罪組織との抗争とになっていて、原作の雰囲気もウィットも良く残された作品になっています。
 とにかく、お約束を外しまくりながらも、ツボは外さないというブラック・ユーモアがふんだんにちりばめられ最後まで突っ走る作風が、リーアム・ニーソンのいつも通りのクールな暴走によって支えられ、ある種のドライヴ感を醸し出しております。そしてニーソンお父さんが除雪車で通った道には「草も生えない」という、寒いながらも熱く、笑えないながらも笑えるという、奇特な作風を生み出しており、個人的には好きな作品。ただ比べるのはフェアではないかもしれませんが、私としては原作のよりドライで、尖っていた感じがより良かったかなと。でも、ニーソン好きの方には外せない作品。また主人公の妻役でローラ・ダーンが出演されていますが、彼女の出る作品には「ハズレなし!」です。
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