ダイナ

スノー・ロワイヤルのダイナのレビュー・感想・評価

スノー・ロワイヤル(2019年製作の映画)
3.8
大衆雑誌のようなポスターの宣伝文句群は品が無いとは思いつつも惹かれる言葉ちらほらと。「壮絶な全くかみ合わない戦いが始まる」「四つ巴」「キレる。」...釣られてやるよ…。

息子をマフィアに殺された模範市民代表のパパ(リーアムニーソン)が悪玉締めるために下っ端から徐々に抹殺していき突き止めていくという復讐モノ。序盤こそ家族を失った悲痛な空気がひしひしと漂うものの途中から、良くも悪くも息子の死とか(観ている側としては)どうでもよくなってくるぐらいのシュールなすれ違いユーモアの応酬があり、クライムサスペンスの枠ではあるものの微かな「コメディ」要素を感じます。(ファーゴ味… 薄味ながらわからんでもない)

アクションシーンは目立つようなものは無いものの最後まで見ていられるのは前述のコメディ要素を感じさせる「すれ違い」展開の面白さ。復讐されたマフィアが相手を勘違いして敵対マフィアに攻撃を仕掛けてしまうという。そらまさかおっさん1人(しかも模範市民)が暗躍してるとは思うまい。登場人物が死ぬと本作特有の「演出」が入るわけですが、それが派手でなくしっとりとしているものの退場人物が多くなっていくにつれて段々笑えてくるのも面白い点。少年への扱いに慣れてないリーアムニーソンが重機カタログ読み聞かせするシーンが好きです。

個人的に「四つ巴」の点をすごい期待していたのですが、思っていたのと違うというか、「1vs1vs1vs1」で各勢力がそれぞれの相手とバチバチするグッチャグチャカオスな混戦を楽しみにしていたんですけど、絡み合っているかというと「いるだけ」に止まっている存在が多くて惜しい気がしました。まあこの言葉自体下の方のちっちゃい文字で書いてあるから公式から推している要素では無いんでしょう。ガッツリ大作を観る気力はないけどなんかB級でユーモアあるプチ暴力モノが観たいって時にオススメです。
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