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スノー・ロワイヤルのQTakaのレビュー・感想・評価

スノー・ロワイヤル(2019年製作の映画)
2.3
お父さんの怒り炸裂!
原住民の怒り爆発!
麻薬組織のポンコツ。
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良くも悪くもハリウッド映画。
登場人物のキャラクターはそこそこ際立っていて良いかもしれない。
バックグラウンドとしてローカルな敵対組織があって、世代を超えた絡みもちょっと複雑だけど展開が広がって面白い。
映画の中身としては、とにかく殺す。どんどん殺す。
リーアム・ニーソンが、怒りをぶちまけつつも冷静にぶち殺し続ける。
一方の闇の組織がいかにもポンコツ野郎で、アタフタするし、格好が悪い。
特に、ボスは、ダメダメ人間で、子育てもダメで、夫婦仲も破綻している。
その子どもがもしかすると一番しっかりしているのかもしれない。
原住民の集団が出てくる。
この見渡す限り白銀の世界には、先住者達が居て、白人達は彼らから土地を搾取し、この地に住みついた。
先住民にすれば、よそ者が、彼らの土地を占有し、暗躍しているのだ。
その昔は、互いに関係を結びうまくやってきたのだが、その息子の今のボスとは全くこじれている。
その辺も物語を拗らせ、殺戮の現場を盛り上げることになる。
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一面を雪に覆われた風景はなんとも美しい。
真っ白、白しかない風景には、何も起こりそうにないと思わせる。
でも、その世界で殺戮が繰り返される。降りしきる雪のように冷静に。
息子の死が、麻薬絡みの組織による殺人である事を知らされたところから、怒りの矛先が定まった。
そこから繰り返される殺戮が淡々としている。
一方の麻薬組織は、何かが起こっていることに気付き始めて慌て出す。
騒動に巻き込まれたのは地元の原住民の一人。ここから新たな騒動に火がつく。
原住民の日ごろ貯まった鬱憤が噴出する。
そして、麻薬組織のボスの息子が大人たちを尻目にマイペースに振る舞う。
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全体の流れは、コメディーに近い。
殺人物ではあるが、決して暗くはならない。
女性が出てきて…って事もない。
ただ、『殺す』それだけの映画だった。
その点において、これもよくあることかもしれないけど、予告編が本編よりも面白かった気がする。
予告編のテンポの良さがこの映画の魅力であったと思うが、そこは本編もそのままとは行かないね。
ちょっと予告に魅かれて見たなら???な感じかもしれない。
ハリウッドのエンタメ映画としては合格点なのかな。
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