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私、オルガ・ヘプナロヴァーのaiのレビュー・感想・評価

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実在したチェコの大量殺人者であり死刑囚の女性、オルガ・ヘプナロヴァーの人生を描いた物語。
本来ならこの類の作品には少なからず主人公に肩入れするような、同情の余地を残す描き方をするのだろう。
でもこの作品はオルガに寄り添い過ぎない。一定の距離を保たせるような、むしろその程度の理由で?と疑問視させるような。共感させるより客観視させたいのだろうか。
モノクロかつ劇伴が一切ないのも非常に淡々とした印象になる。
性的マイノリティであり人付き合いは苦手、親にも愛されているとは言い難く精神を病みがちなオルガは孤独だった。そんな彼女は唯一恋愛には積極的。親や他人には弱気な態度なのに恋人には強い言葉を使う、そんなギャップも歪に映った。
こういう人いたな…という記憶が蘇る。

この一連のオルガの行動を見て、秋葉原無差別殺傷事件を思い出すのは私だけではないはず。
本人が語る犯行動機が驚くほど類似していて共通点があまりにも多い。
時代や国が違えど、この二人のような感情を抱き人を殺める人間は一定数生まれるのだろう。
決して理解はできないが、全くわからないとも言えない。しかし衝動的というより計画的な犯行にはやはり、同情の余地はなかった。

2024、8本目。
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