たーたん

私、オルガ・ヘプナロヴァーのたーたんのレビュー・感想・評価

4.0
実際にあった事件、犯人を描いたモノクロ映画。BGMなし、モノローグなどによる説明もなし、ただ淡々とオルガの半生が描かれる。
そう、説明がないから、このシーンは何?というのが少なくなかった。後半、事件前の手紙投函は誰宛てなのか、独房で書く文章は何だったのか…。ウィキペディアとかでその辺りの疑問は解決できる場合もあったが、映画全般を理解できたかというとそうではない。
しかし説明だらけにするとこの作品のトーンがまるで変わってしまうだろうとも思う。この映画の雰囲気は一貫してオルガの心象風景のような気もする。
犯行シーンは突然始まり、呆気なく終わる。監督が描きたいのは犯罪ではなく、オルガという女性と社会との対立だったのだろう。だから単なるクライム映画などではないのだ。