福福吉吉

プロディッジーの福福吉吉のレビュー・感想・評価

プロディッジー(2019年製作の映画)
3.5
◆あらすじ◆
サラとジョンの間に息子のマイルズが生まれ、その成長の速さと優秀さに2人は喜んでいた。しかし、マイルズは成長するにつれ、不穏な行動をとり始め、サラとジョンはマイルズが精神的な病気ではないかと疑うのだが...。

◆感想◆
若い夫妻の間に生まれた子が不穏な行動をとり、やがて夫妻が子に恐怖していく様子を描いており、夫妻の間でわが子を信じたい部分と怖い部分が拮抗して不和を招く様子など心の揺れ動きがしっかり伝わってきました。

ストーリーとして、最初に連続殺人鬼が死ぬシーンと同時にサラが出産するシーンが描かれているため、連続殺人鬼と生まれた子供・マイルズとの関係を匂わせてきます。その上でストーリーが進展していくので、観ている側はいつこの2人が繋がるのか興味を惹く展開になっていました。

しかし、マイルズの正体を単純に明らかにせず、少しずつ小出しに情報を提示しながらストーリーが進んでいくので、観客はサラやジョンと同じ立場でマイルズの正体が分からず不安なままで観ていくことになり、ずっと嫌な感覚が続きました。

本作はなんといってもマイルズ役のジャクソン・ロバート・スコットの演技に尽きると思います。8歳の少年でありながら純粋な表情と醜悪で憎たらしい表情、そして、感情のない表情を上手く演じ分けていて、素晴らしかったです。

一方、サラ(テイラー・シリング)もマイルズを信じ、疑い、惑う姿を熱演しており、疑いながらもマイルズを愛し続ける姿がとても悲しくて良かったと思います。

子供が見せる邪悪な顔の怖さを存分に堪能できる作品になっていて面白かったと思います。

鑑賞日:2023年10月17日
鑑賞方法:ビデオマーケット
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