サンドラ

テッド・バンディのサンドラのネタバレレビュー・内容・結末

テッド・バンディ(2019年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

テッドバンディに恋人がいたことは初めて知った。殺人鬼が主役の作品は、その異常性、猟奇的な部分にフォーカスしがちだけど、こういう一面を切り取るのは斬新だった。リズは至極真っ当な人間で、テッドを本当に愛していたからこその葛藤が、苦しみが画面からとても伝わってきた。リリー・コリンズも役にぴったり。でもその一方で、一切自分の罪や責任を認めず、嘘を平気で突き続ける、自分の弁護団を非難する、裁判所での自己弁護やプロポーズのパフォーマンス、断片的な映像の中だけでも、テッドのその自己中心性や自己顕示欲に辟易した。サイコパスとか精神病とか色々あるけど、彼の場合の殺人の動機は何なんだろう。知りうるどれにも当てはまらない気がする。強いて言うなら、自分以外の存在を全く尊重できない究極の自己中心性?最後の"弓のこ"は戦慄だった。リズが解放されて良かった。

わたしは元々テッドバンディについて知っていたから、凶悪犯っていう先入観があって、この映画が、表面的なイメージと真実は必ずしも一致しない、っていうことを伝えたかったのなら、その翻弄される過程はあまり辿れなかったのが残念。

"Few people have the imagination for reality."(Johann Wolfgang von Goethe)
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