試写会にてひと足お先に鑑賞。
上映時間3時間26分という『RRR』もビックリな、スコセッシ監督渾身の一本。レオナルド・ディカプリオ主演、ロバート・デ・ニーロ共演とキャストが目ん玉飛び出ちゃうぐらい豪華。アカデミー主演男優賞『ザ・ホエール』のブレンダン・フレイザーも弁護士役として登場。
ストーリーに関して、かなり長尺であるが故にその密度及びメッセージ性は最早グロテスクな領域。とにかく、とにっかく人間のおぞましい業の深さにひたすらむせ返ることになる3時間半。騙し合い、裁判、殺人………劇中で起こること全てが「自分が優位に立ちたい」という欲望に基づくものだと考えるとゾッとする。
そしてディカプリオとデニーロの演技力がまぁ〜凄まじい。2人ともスコセッシ映画を語る上で欠かせない名優の中の名優だが、そんな2人が同じスクリーンに出ているその様は言うなれば演技力の「津波」である。ディカプリオのストーリーの進行に応じて滲み出てくる小物感、対するデニーロの周囲の人間を意のままに操らんとする強者感………その他の登場人物たちが顔に浮かべる喜怒哀楽もまた見所。その表情の奥底にある本心を読み解くのもまた今作の楽しさかも。
聞くには原作の小説を読んでみると今作の原作再現の忠実っぷりに驚愕すると共に、2回目の鑑賞もはちゃめちゃに面白いとのこと。こりゃー観るしかない。
