プレコップ

キラーズ・オブ・ザ・フラワームーンのプレコップのレビュー・感想・評価

4.5
10/6、TOHOシネマズ六本木で鑑賞。
大きなスクリーンにディカプリオ、デニーロが揃って登場する感動が大きい。

音楽担当のロビー・ロバートソンはネイティブ・アメリカンの伝統音楽に造詣が深く、その作家性が存分に現れていた。これが映画音楽家として彼の最後の作品になってしまったのはとても悲しいが、有終の美。

内容はインディアン居留地に石油が出たことで巻き起こる残虐な事件について。オセージ族が暗殺されても碌に捜査されず、その後登場した捜査官は後のFBI長官Jエドガーの手下。

一方でディカプリオ演じるこの映画の主人公アーネストの無知による醜悪さとデニーロ演じる「キング」の全てを知り、人を操る邪悪さが主題となっているが、それぞれの悪さは誰にでも潜在し得る点を鋭く突いてくる。

206分の長さは必要な時間であり全く無駄が無く、鑑賞には長時間を耐える根気より、むしろこの作品の持つ文字通り爆発的なエネルギーに堪える体力が必要である。

終盤は「グッドフェローズ」、あるシーンは「アンタッチャブル」の要素があったりと過去のスコセッシ/デニーロのワークスを踏襲したような作品でもあり、彼らのファンも文句なしに楽しめる一本に仕上がっている。
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