石油利権を手に入れたアメリカ先住民、白人を顎で使い贅のかぎりを尽くす彼らに、その白人の魔の手が迫るというのが大まかなあらすじの中で、これが実話であったことに驚き。あらすじは理解していたが、彼らの様は映像で見るとさらに驚いた。完全なる悲劇、惨劇なのだがこれをあのテンションで描き切ったスコセッシの腕力に驚嘆。また、最終的な落ち着きには最近感じなかった魅力を感じた。
OPの低音の響く中でスピード感のある演出は、スコセッシの若々しさをひしひしと感じた。3時間半という長さだが、テンポよく見せ場が続く。ただ長すぎるような気もするが
ディカプリオはどうしようもない男、大戦帰りの職なし歯はガタガタ、そんな男がデニーロ扮する「キング」を頼って始まるわけだが、
ディカプリオはとにかく意気地がなく、行き当たりばったり。覚悟を決めたと思ったら慌ててみたり、これがハマり役だった。ミナリはどんどん綺麗になるが、どんどんフラフラし始める。これをひたすら表情で感じさせてくれるディカプリオは流石だった。結局他人の言いなりな救いようのない彼の選択とは
デニーロはグッドフェローズのジミーを影に見た。つまりいつものデニーロって感じなのだが、これまたばっちりハマっていた。どう考えても真っ黒で、普通にやっちゃいけないことをし続ける、でも本人はケロッとしていて、まさしく素面でイカれた男。こういう役にはデニーロだなぁと感じさせられた。目の笑わない笑顔で右に出る人はいないと。
俳優の演技合戦、脚本、演出かなり良い映画だった。