dog

キラーズ・オブ・ザ・フラワームーンのdogのレビュー・感想・評価

4.5
アーネストを見て、これは自分がなり得るかもしれないと思い、自分を見返るための映画。

モリーに、おまえは分かってないと叫ぶアーネストの姿を見て、おまえが分かってないんだよと思う観客。
モリーの愛情と冷静さが入り交じる目線がそれを観客に掘り起こさせる。
もちろんこれはネイティブアメリカを愚かな人種と断じる白人を愚かとする明確な演出意図があるわけで。
デニーロ、ディカプリオ、スコセッシが素晴らしいのは言うまでもが、モリー役のリリーグラッドストーンが元々持っている知性がないと成立しない奇跡的なバランスの作品ではないだろうか。
最初はFBIを主役に据える予定だったのをディカプリオが変えたそうだがまさに慧眼。
今年のナンバーワン候補に思いがけず出会うことができた。
リリーグラッドストーンの次回作が楽しみだ。きっと作家性の高い映画からオファーがあるだろう。
いやぁ3時間強、たっぷり堪能できました。
映画って、本当に素晴らしいですね。
dog

dog