〜アカデミー賞待った無し！アメリカの闇をえぐる実録犯罪劇〜
スコセッシ流映画術の集大成ともいえる作品。
彼が築き上げてきた映画論が特濃でスクリーンにカムバック。
身体が麻痺するほどの緊張感に包まれた、圧巻の3時間半を見届けろ！
…流石スコセッシ、いつもの例に漏れず会話の深みが別格。
やすりを巻き付けたようなセリフ達が、視聴者の脳天をぶち抜いていく
…自然を崇拝するインディアン達の文化を活かした、パワフルで破壊力抜群な映像美。
全身の毛が逆立つような、ある種畏敬の念をも感じさせる演出の数々も素晴らしかった。
…そしてなにより、
『愛する人』と『氏族の権力』の間に揺さぶられ崩壊していく『自我』
を完璧に演じ上げたディカプリオが一番ヤバい。
超大胆かつ超繊細な彼の演技。どうしようもない男を演じた時に、ディカプリオほど輝ける俳優はいないだろう。
…今までのスコセッシ作品のレベルがあらゆる面で繰り上がった、珠玉の作品。
これこそ、彼の提唱する『シネマ』なのだろう。
最近も「アンチ娯楽映画論」を展開していたスコセッシに、いい加減辟易としていたところが、そんな身体に鞭を打つ、まさしく『シネマ』な一作でした。
