豚肉丸

キラーズ・オブ・ザ・フラワームーンの豚肉丸のレビュー・感想・評価

4.5
偶然にも油を掘り出し金持ちとなったある先住民の家族の財産を継ぐため、犯罪計画を立てるお話

ある意味定番のスコセッシ的な映画。犯罪計画を立て、最初は上手く事は運ぶものの、徐々にボロが現れ始め崩壊していく...という定番の流れなものの、現代的に「先住民」の視点を取り入れることで新たな見方を作り出そうと試みていたのが良かった。いつも通り主人公たちを馬鹿らしく、滑稽に描いているが、同時に悲痛さもより増して描かれている。冒頭で提示される先住民に対しての扱いと主人公たちの人命軽視の姿勢が合わさることでかなり最悪な事態を引き起こしてしまうのだが、これが事実の話なのだから笑うことが出来ない。
だけど短絡的な思考と自己保身に走った結果取り返しのつかない事態に陥るディカプリオの姿はやっぱり面白い。
登場人物も関係性も入り組んでいるものの、主人公の視点を通して映されるため分かりやすく整理されていたのも良かった。

にしても映画の構成的に起伏が少なく語れる部分もあまり無いため...う〜ん...
集中して見ないといけない映画の割にはかなり集中しづらいような映画でもあったため、そういう意味では映画館で見られて良かった。こんな感じの長尺映画を何のノイズも無く通して見られる機会もそうそう無いため、そういう意味では本作は映画館で見るべき映画とも言える。

デニーロによる「拷問」の絵面がシュール過ぎて(起きてることもシュール)滅茶苦茶笑ってしまった。ここだけ馬鹿すぎる。
豚肉丸

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