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キラーズ・オブ・ザ・フラワームーンのsyoのレビュー・感想・評価

4.5
206分という長さを感じさせないのは流石スコセッシ監督。本当にあっという間だった。
FBI創設のキッカケにもなった実在のネイティブ・アメリカン連続殺人事件を取り扱った作品。

アメリカの歴史は詳しくないので、こうして映画の題材になっていなければ知り得なかったかもしれなかったと思うととてもショック。
こんな凄惨な事件が起こっていたこと、そして当時のアメリカがいかにインディアンの人たちを軽視していたのか、この映画を観るだけでも痛いほど理解できる。

なにより大事なのはこの事件は未だに解決していないということ。主要な犯人は見つかっているが、この映画では取り扱われていない事件が多くある他にも、劇中でも言及されていた後見人の制度のせいで現在でもオセージ族の総資産の内、約20%は白人が握っているそうです。この作品が発端になって解決してくれると願うばかり。

俳優たちの演技も凄かった。やつれたディカプリオにデニーロの豹変ぶり、そしてリリー・グラッドストーンはアカデミー賞とか取って欲しいレベル。悲哀に満ちたインディアンの女性を見事に演じていた。

原作からミステリー要素を排除した構成だったけど、正直それはしない方が映画的には良かったんじゃないかなとは思う。
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