あざとさ

キラーズ・オブ・ザ・フラワームーンのあざとさのレビュー・感想・評価

4.0
社会問題にフォーカスして、その渦中に在る「人」を描く。とてもスコセッシらしい作品だった。
エンドロールに強いメッセージ性があるのでぜひ最後まで浸ってほしい。
実際にあった大量殺人事件を実名ベースで描いている。原著あり。

レオの演技はもう安定の職人芸で、今作はかなり地味な役回りなのだけど安心してみていられる。
「特に取り柄のない一般人」という役を感情表現だけで見せてしまうからすごい。
この事件が語る「怖さ」はヘイル(デニーロ)が所謂シリアルキラーみたいなサイコパスでもなく、当時の白人コミュニティ中で比較的良識人(フリーメイソンだった)としておかれていて、彼のみならず法や自治体の仕組み自体が先住民族への理不尽に当たり前に加担していた事。
当時(今もか)の白人至上主義のいやらしさやきな臭さが終始漂う作品だった。
あざとさ

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