サマータイムブルース

キラーズ・オブ・ザ・フラワームーンのサマータイムブルースのレビュー・感想・評価

3.5
これが実話ということに戦慄を覚える
私利私欲のためにいとも簡単に人を殺せるものなのか

デイヴィッド・グランさんによるノンフィクション・ノベル「花殺し月の殺人 インディアン連続怪死事件とFBIの誕生」の映画化
原作本は未読です

アメリカ先住民のひとつ、オセージ族は、白人によってネイティヴ・アメリカン居住地区に追いやられてしまう
ところがその土地で石油が採掘され、彼らは巨額の富を手に入れる
そこに金目当ての白人が集まってきて、オセージ族の連続殺人事件が起こる

劇中、KKK(白人至上主義団体クー・クラックス・クラン)や、同じオクラホマ州のタルサ市で、白人暴徒が黒人住民を虐殺したタルサ人種虐殺事件について言及されてるように、これが人種差別を扱った映画であることは間違いない

アーネスト・バークハート(レオナルド・ディカプリオさん)の妻、モリー(リリー・グラッドストーンさん)が執拗に夫婦の肌の色の違いを気にしていたのが印象的でした

見る前は、犯人探しに主眼が置かれたサスペンスだと思っていたけど、犯人は初めから明らかで、むしろ人間ドラマに重きが置かれていました
その辺は演出として正解だったと思います
後半FBI捜査官が出でくるのも後付けのような感じでした

マーティン・スコセッシ監督、いままで数作品しか見たことなくて、イマイチ苦手意識あったのですが、3時間26分、退屈することなく見ることができました

アメリカの黒歴史、機会があれば原作本も読んでみたいなと思いました