ゆず塩

キラーズ・オブ・ザ・フラワームーンのゆず塩のネタバレレビュー・内容・結末

3.5

このレビューはネタバレを含みます

【感想】
まず自分、よく頑張った! 約3時間半の長丁場、絶対家じゃ見れなかった気がする。4時間前ぐらいから水分取らず、ポップコーンを直前に食べたからか、尿意もゼロで本当良かった!!

内容は、エンターテイメント作品ではないんですね。
スコセッシの作品をよくよく考えればそりゃそうなんだが。
インディアンからすべてを奪っていくデニーロが、本当に狡猾で残酷でつらい。
自分の手を汚すことなく、すべてを奪っていく。しかも、悪びれるような様子がまったくなくて。
嘘でしょ、って感じなのに逆にこういう人たちが居そうだし。

主人公のディカプリオが、自分の意思がない設定も辛かったな、2つの意味で。
1つは、完全にいいように使われているだけだから、全然ワクワクしない。っていうか、普通に悪事を犯しているし。この主人公のこと好きになれないんだよね。そんな彼を3時間以上見てなきゃいけないのは、厳しかったなぁ。本当ただの小悪党。
2つ目は、アーネスト(ディカプリオ)のような意志の弱い人間ってどこにでもいるんだろうなっていう悲しさ。頭も良くなさそうで、そういう人は頭のいい人、口八丁の上手い人に騙されていいように使われるような気がする。自分もそういう人に騙されそうだという恐怖を感じた。自分の弱い部分を見ている様な気がして辛い。意思がないため、搾取されている人を見て辛い。

モーリーというか、オセージ族の方々がただただ被害者なのも本当に無理。
たまたま石油が出てそのせいで……。金持ちの様子が最初は羨ましかったし妬ましくも感じたけれども、いや、本当。
コワイ。その羨ましさとかからこうした事件が起きたわけでしょう?
文明化と言う形で文化を失って、こんな事件と言うか私利私欲の大量虐殺みたいな形で命も奪われて。絶望感が凄かった。アーネストも悪党だし、希望がない。

というか、この国法治国家じゃねぇよ!!? 平安時代とかその時代みたいな状態じゃん……。賄賂でみんな裏で繋がってて。最悪な街だ。
アーネストを説得する親族とか弁護士とか街の人たちが集まってる場面が最凶に最低最悪で最高だった。そして、それになびくアーネストも最高の小物臭で最高。ダメな人間を見る映画なんだよな。

映画を見始めたときは、アーネストが正義にだんだん目覚める話かと思ってたけど、全然そんなことはなくて。バカな小悪党(アーネスト)が小さなミスを重ねている様子で一応笑うしかなかったな。笑う所じゃないかもしれないけど。「デニーロいいざまだ」「アーネストいいざまだ」って感じで笑ってた。
「頼むからはやく誰かこいつら止めてくれ」と心底思ってた。

面白かったとはいえないけれど、色々と勉強になりました。
現実に起きたことらしいので、色々調べたいと思います。
ゆず塩

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