カタパルトスープレックス

キラーズ・オブ・ザ・フラワームーンのカタパルトスープレックスのレビュー・感想・評価

4.2
マーティン・スコセッシ監督によるインディアン居住区で実際に起きた事件をモチーフにしたサスペンス作品です。

3時間半の上映時間にちょっと怯んでたんですけど、思ったより長く感じませんでした。そこは変に説教臭くならずに、純粋にエンターテイメントとして成立させたからだと思います。もちろん、単なるサスペンスだったら3時間半も必要ないし、実際にもっと短くできたとは思います。

なんといっても本作の中心は主人公アーネスト・バークハートを演じるレオナルド・ディカプリオです。オーセージ族の利権を奪おうとする叔父のウィリアム・ヘイル(ロバート・デ・ニーロ)とオーセージ族の妻モーリー・バークハート(リリー・グラッドストーン)の間で揺れる。単なる素直なバカじゃない。ちゃんと意思がある。それが最後の最後でカタルシスにつながる。

こうやって感想を書いてみると非常にシンプルで短編に仕上げることもできたかもしれない。しかし、マーティン・スコセッシ監督は丁寧に時間をかけて描くことにした。ボクはその選択はさほど間違いではなかったと思います。少なくともボクはまた観たいと思った。