たぬー

キラーズ・オブ・ザ・フラワームーンのたぬーのレビュー・感想・評価

3.9
アメリカ先住民のオイルマネーの収奪のために謀略を繰り広げる白人たちの話。

アメリカ大陸に渡ったヨーロッパ人による先住民への非人道的な行為については人類史においてもナチスに匹敵するものであり、その題材でアメリカ人であるスコセッシが大作映画を作ったというのは非常に誠実で素晴らしい事だと思う。本作で取り上げられた事件については近年まで隠蔽されていたらしい。
それに引き換え日本では未だに反省するどころか政府が認めないというのだから嫌になる。
デニーロ演じる「キング」の底知れない欲望、凡庸で他者にコントロールされてしまうアーネストの弱さ、口数は少ないが芯の強いモーリーの眼差し。
三者の重厚な演技が素晴らしかった。
あまりに長かったけど。

キングは結局恩赦されシャバで天寿を全うしたというのも凄い。
たぬー

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