このレビューはネタバレを含みます
3時間半まったく飽きず、ずっと緊張感があって面白かった。
全体で繰り返し流れてる音楽がとても好きだった。この映画に合ってたし、この音楽によって映画の世界に誘われてる感覚。
キング役のロバート・デ・ニーロは、「マイ・インターン」でほんわか紳士を演じていた人とは思えない。
キングが牢屋の中でアーネストに「お願いだ。言わないでくれ。」と懇願するシーンは、見ていて悲しくなった。なんて悲しい人間なんだろうと思った。
アーネストの人としての弱さ、葛藤する表情も凄かった。キングとお金に流されつつも、妻を心から愛して、しかし当たり前のように妻の家族を殺す。そして後悔する表情を見せる。
夫婦の家の爆破現場に近づいていくアーネストの表情は、心から「こんなはずではなかった」「悲惨だ」と思っていそうだった。
誰が見ても妻を愛してる人の行動ではないが、アーネスト自身は心から「愛している」と思っていただろう。
二人のきっかけは本物の恋愛感情だとアーネストはいうが、結婚したのはやはりキングの後押しがあったからだと思う。もしもキングに違う女性を紹介されていたら、そちらと結婚していたのではないだろうか。。。そのくらいアーネストは弱かった。
モーリーは本当に殺人に関与していないのだろうか?映画のほとんどは疑う余地が無かったのだが、最後の最後であの殺人犯を家に泊めて枕を渡すシーンや、「モーリーは亡くなるまで殺人に関して言及しなかった」のような台詞があり、何となく意味ありげに感じてしまった……そう思いたくないけれど…!
しかしモーリー役のリリー・グラッドストーンもあまりにも魅力的で、ハマり役すぎて、このまま実在するのではと思ってしまうくらい。
そういえば、映画の中で何度もハエが出てきたのはどうしてなんだろうと気になった。なにか意味があるんだろうな。
とにかく3時間半、ずっと「どうなるんだろう」という緊張感、全く飽きさせないところが凄いと思う。