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キラーズ・オブ・ザ・フラワームーンのericaのレビュー・感想・評価

4.5
久々にのめり込むほどの映画体験をした気がする。
体調面・環境面万全で臨めたラッキーさもあると思うけど、3.5hもあったことが信じられないぐらいずっとスクリーンに釘付けだった。

今から約100年前、アメリカはオクラホマ州で起きた先住民族(オセージ族)大量殺人事件をベースに描かれた本作。
石油を掘り当て莫大な富を得たオセージ族は、当時世界トップクラスにリッチな人々だった。
しかしそんな彼らの財産目当てで近づく白人たちや裏で政府が絡んでいそうな法律制度の穴により財産、そして命諸共奪われていく。。。



⚠️以下ネタバレ含みます








悲しみとか怒りとか、静かに沸々と湧き上がる感じ。
スコセッシ×デニーロ、スコセッシ×レオ様はもう何回もタッグ組んでいると思うけど流石の安定感。
レオ様は本当にこういう役が似合うな。裁判ぐらいからずっと口がへの字、眉間の皺は深く常に険しい表情。正直よく見かける表情ではあるけどアーネストがどんな人間かっていうのが顔つきだけでも良く伝わってきて説得力があった。
無知で感情が顔に出やすいアーネスト(レオ)と、人当たりは良いが腹の中で何考えてるのか分からず薄気味悪い叔父のヘイル(デニーロ)の対比も面白かった。2人の会話でちょいちょい笑えるシーンがあったな。笑
モリー役を演じた女優さんの落ち着いた演技も素晴らしくて、3.5h全く飽きずに観られたのは役者陣の演技によるものが大きいと思う。

というのも本作、終始淡々としていて緩急もあまりなく時間軸もほぼ一定。クライムサスペンスとしてのサスペンス要素はとても薄かったと思う。FBIが登場したのめっちゃ後半だったし。
故に(?)ジェシー・プレモンスはちょっと弱かったかな、敢えてなんだろうけど。
『パワー・オブ・ザ・ドッグ』の方がずっと印象強かったな。

ただこういう実話ベースで淡々と描かれる作品が私は好きなので相性良かった🤝
今年の賞レースに絡んできそうだし、私の年間ベスト10にも入りそう。もう一回観たい。
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