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キラーズ・オブ・ザ・フラワームーンのmikeのレビュー・感想・評価

4.0
もう予告観た時点で、「どうせ長くてこってりしててめちゃくちゃおもしろいんでしょうよ!」と思っていましたが、その通りでした。冒頭からもう強固な「映画力」でがっちり観客をつかんで離さない巨匠の手腕!きもちよ~~~!スピルバーグの『フェイブルマンズ』と同年公開だなんてなんというぜいたく!

「金」とは?「家族」とは?「幸せ」とは?「支配」や「権謀」自体が目的になってしまっているように見えるデニーロを裏に、ずっと不穏で緊張を強いられる場面が続き飽きない。事件自体がショッキングなので、当初の予定通りFBI捜査官トム・ホワイトを主役に据えてもおもしろくできたとは思うのですが、しょうもない甥アーネストを演じたいと言ったディカプリオ。好き。十八番である俗物芸。リアルな人間がこんな絵に描いたようなへの字口できるんだ!?という感動。アルピー平子りすら感じさせる演技、笑っちゃったよ……。

アーネストとモリ―の関係一つとっても、お互いがどこまで「わかっていた」かを明示しないの、本当に「映画」だよな~!としびれました。最後の解答もしっかり間違えるアーネストは本当にダメだなぁと思いつつ、なぜか逆に彼の「嘘のつけなさ」と、たしかに「愛」があったことを確信でき、その上でのモリ―の選択はさらに重く感じさせられる。聡明なモリ―。

長尺をずっと下支えするロビー・ロバートソンによるすばらしいスコアも、『DUNE』を手がけたジャクリーン・ウェストによるおしゃれな衣装も最高でした!ディカプリオが着てたパジャマ欲しい!
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