EIR

キラーズ・オブ・ザ・フラワームーンのEIRのネタバレレビュー・内容・結末

3.7

このレビューはネタバレを含みます

IMAXで。
史実をもとにした作品。
映画って娯楽であると同時に教養だと常々思ってるんだけど、まさにそんな映画だった。インディアンの歴史背景は何となく知ってたけど、こんな地獄をよくも3時間半もじっくりやってくれたぜ…1日の活動時間半分削れるんよ。見に行くの悩むくらいめちゃくちゃ長いんだけど飽きたり退屈したりはしないからやっぱりすごいんだよな。最初の石油噴き出すシーンとかゾクゾクするほど良い。
オセージ族の一連の怪死事件を愚かな主人公アーネストの視点から進む。大事なものは確かにあるのに都合よく使われるだけの男。最後の最後まで情けない。対比になるモリーの強さ。ヘイルの人心掌握と動かし方が本当に巧みでずっとモヤモヤするところを連邦捜査局が来て徐々に全容が明らかになるのがサスペンスで気持ちいい。
オセージ族を資産としてしか見ていない白人たち、無能力者だとか受益権とか自分に都合よく搾取して命にさえ葛藤ないの何。侵略の怖さが如実に出てる。
そしてラスト、これらを白人が朗読劇として楽しんでるのもう皮肉がすぎるでしょ。
この事件のことは当然としてオセージの信仰や文化も丁寧に描いてて語り継ぐべき映画だと思う。でもこれが作られたからといって彼らは溜飲を下げるわけないし口を閉ざしてるだけであろうことは考えないといけないよね。
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