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キラーズ・オブ・ザ・フラワームーンのHELLOPANDABOOKのレビュー・感想・評価

3.1
デカプリオの演技や台詞回しについてくるアゴのこねくり具合がニックノルティやジェフブリッジス、さらにはマーロンブランドみたいな感じにしか見えなくなってきて、シルエットの崩れ方も役作りなのか、よくわからなかった。自分の感度が鈍ったのか…。作品自体は実話ベースのものだし、FBI発足のきっかけを与えてしまった事件だし、オイルマネーにからんでフリーメイソンとか普通にセリフで出てくるような、見どころある内容なんだけど、描ききることはそもそもあきらめているような、トピックスを並べて、あとはこちらがもっとこの事件にまつわる文献や史実をおのおの考えていこう、というフック的な映画なのかと思えるほど、スコセッシ監督の作品に託す、職権濫用でもいいからメッセージがわかりやすく来るかなと期待していた自分がいた。とにかく、俺の浅はかな見方だと、なんか弱いままな感じ。もっと強くFBIのズルさとか、彼らが簡単に釈放されてることとか、グイーとやって欲しかったけど、これが監督流なところでもあるかな。デカプリオが、ショットに毒を入れずに自分のウイスキーに入れた、セリフのないシーン。あれが監督の賭けか。
個人的には、エンディングロールのネイションの生音、雷とか羽虫とか雨とか草いきれとな、そういう音が延々と流れてるのがよかった。昨夏に訪れたナバホネイションや化石の森公園の星降る夜の音や、貨物列車が静かに過ぎてく朝の音を、目を閉じて聴くとフラッシュバックしてきて、心地よかった。
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