ラピュタん

キラーズ・オブ・ザ・フラワームーンのラピュタんのレビュー・感想・評価

4.6
『暴力をふるう人間』を生涯のテーマにし続けた名匠による渾身の訴求 ⚽️✝️

極上の小説を読むような映像作品でした
緊迫感がずっ〜と維持されているのはさすが!

  🩵💙熟達の傑作💜🩷


デニーロの微笑、そして死のキスちらり…💧
デカプリオの、愚かなハリボテ白人を焼き付けた迫真の眉間の演技…
モリー役の、深い知性と意志の力を感じさせる眼差し…

オセージ族のモリーが望んでいたことは何だったのか?
それだけは一言もセリフになっていませんが…老監督が、暴力以上に描きたかったことなのではないかと、思うのです!

ところで
百年前に登場したばかりのインスリン💉は当時、糖尿病の唯一の薬でありながら、ヒト型でなくウシ(や🐏)由来のものだったので、炎症も起こす厄介なもの…そして超高級💉
月に100万円ほどしたはずです(なので世界で5人…彼女にはオイルマネーがあった)

そもそも
先住民は、白人のような食事に適応できず糖尿病にかかりやすかったという点(これは日本人のみならず、韓国人や太平洋の島々の人も…)と、糖尿病の家族歴があること、そして妊娠というストレスも糖尿病を悪化させてしまうことなども、モリーの不幸の背景にはあったのでしょう
精神安定剤を「食事の30分前」のインスリンと一緒に打てば、食事前に寝入ってしまいますから…インスリンを💉し続けたら…食事を取れず低栄養になるのでは?

でも処方自体はいちおう毒ではない、という… 😱


白人至上主義の背後には、フリーメーソンやKKKも入り乱れていた複雑な時代…

自然と共に生きるオセージ族の精神性と美しさが、この映画の最大の魅力になっていました


最後にラジオ番組のプロデューサー役で、キラーズの末路を語るのはスコセッシ監督自身でした✨

無法地帯?の醜悪な人間を何人も克明に描き、彼らに生々しい個別の息を吹き込んだその手腕は、当代随一ではないでしょうか!


(血飛沫は、これまでより控えめで良かったです)

⭐️32階級は…
 スコッチで…
 Sublime Prince of
         the Royal Secret
 というらしいです(Wiki)

⭐️極彩色の円舞
 美しいグリーン、緑が初めて眩しく
 写されている中で、画面いっぱいに
 太鼓🪘を核にした極彩色の花のような
 円舞が印象的でした

 暗くなってから、最後に聞こえてきた
 あれはきっとハエの羽音…
 その意味は…

 それは聴き慣れた音だったはず
 でも、新鮮に美しく感じられました

 あの盆踊りのような?フラワー🌺は
 「失われた者たちの円舞」だったの
 かもしれませんね…
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